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ワーグナーも通った老舗パスティッチェリア
アンドレア・パンサでレモンケーキを

 アマルフィのドゥオーモ内を巡ったあとは、あまりの人の多さに辟易して、再びバスでラヴェッロへ戻るためビーチへ向かう。途中の広場で一休み。
 名物のレモンケーキをモグモグ。ここのお菓子はどれもが極上の美味しさで、特にレモンクリームといったら衝撃的!爽やかさと濃くの絶妙バランス。
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次の日の夕食は、アマルフィのビーチ沿いのリストランテで。レモンのスライスが乗ったレモンピッツァ、風味が爽やか。
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あまり飲めない体質だけど、ワインも少し。「コスタ・ダマルフィ=アマルフィ海岸」で決まり。

新国立劇場《ジュリオ・チェーザレ》~R4.10.8_e0036980_22060840.png
 クレオパトラがシーザーの気持ちを掴もうとする時、ヘンデルと、舞台の機械を操作する人々は聴衆の目を奪おうと奮闘する。最も衝撃的なのは、ヘンデルが声によってクレオパトラの性格ともくろみを表現する方法である。彼は旋律を絶えずメリスマによって長引かせ、終止することを遮り…それはあたかも誘惑を楽しむ永遠のヴィーナスの肖像とも言えようか。
『ヘンデル オペラ・セリアの世界』W・ディーン著

 「バロック・オペラ」は、ヨーロッパの歌劇場ではレパートリーに組み込まれるようになって久しいが、日本では上演機会に恵まれているとは言えず、この新国立劇場においては待望の舞台となる。私にとっても、20年前パリで初めてヘンデルのオペラを聴いてから、なんと歳月が経ったことかと、劇場内を満たす彼の音楽を聴きながら、感慨に浸らずにはいられなかった。
 今回の上演は、観客が「なるほど、だからバロック・オペラって人気なのか」と会得するほどの圧倒的パワーに満ちていたわけではないが、上質な演出の勝利である。エレガントで遊び心満載の洒脱さは「オペラを楽しむ」という非日常体験としてはぴったりだった。
 ただ、ヘンデルを偏愛する身からいえば、音のバランスに違和感があったことー通奏低音がガッチリ構築されていたのはよいが、他の部分がボケた印象となり、さらに歌手の声がオーケストラに押されている感が。劇場の大きさがバロックには大きすぎるのだろう。
 また、バロックオペラの歌唱という点でどうなのか…。聴かせどころのダカーポアリアのA’部分については、即興と装飾のセンスが必要不可欠なのだと改めて難しさを実感。
 とはいえ、貴重な上演であることは間違いない。今後もレパートリーが増えることを願っている。

アマルフィのドゥオーモ、地下礼拝堂で_e0036980_22461615.jpg
聖アンドレアの眠るクリプタ
コンスタンチノープルから1208年にアマルフィへ

 ここが地下であることを忘れてしまうほど、煌びやかで豪奢な礼拝堂に驚く。それでいながら、穏やかさと荘厳さに満ちた空間。しばし時間を忘れて、この神々しさに浸る。
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 天井には、ファルコ―ネのフレスコ画(17世紀)によるキリスト受難の物語が。手前の顎鬚の人物が聖アンドレアかしら。こうして、ゆっくりと物語を追っていくのも、また至福。

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1589年のフィレンツェへ
ブオンタレンティによる舞台装置を思い浮かべながら

 現存する最古のオペラは、1600年にアンリ4世とマリア・デ・メディチの婚礼時に上演されたペーリ作曲、リヌッチーニ台本による《エウディリーチェ》(その前の《ダフネ》は一部のみ残存)だが、その前から祝祭時に催されていた「インテルメディオ」と呼ばれる音楽劇が存在している。
 本日の公演で奏でられたのは、1589年のフイレンツェ大公フェルディナンド1世とクリスティーヌ・ド・ロレーヌの婚礼で上演された喜劇ラ・ペッレグリーナ(女巡礼)》の「インテルメディオ」。古代ギリシアのデルポイが表現され、神々とデルポイ人=フィレンツェ人が、新郎新婦を寿ぐ6つのエピソードで構成されている。
 総監督はカヴァリエ―リ!有名なローマのオラトリオ作曲家。彼の作曲も多いが、カッチーニ、ペーリと今でも名前が残る方々が。この時代の音楽を聴く機会はそうそう無いので、興味深く聴いた。オペラの前身ということで、バロックの初期の雰囲気が色濃く、新しい音楽の感覚が十分に伝わってくる。曲は祝祭感に満ちた艶やかなものだった。
 この舞台装置を担当したのは、ウフィツィ宮を完成させたブオンタレンティである。トリブーナを手掛けたのも彼とのこと。
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 今でも鮮やかに思い出されるトリブーナ、ここに展示されているメディチ家のヴィーナスは遠かった…。

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アマルフィの守護聖人、聖アンドレアを奉じた聖堂へ
ムーア様式の鐘楼は、なんとも言えない愛らしさ

 観光地として名高いアマルフィのドゥオーモは、エキゾチックな南国の雰囲気に包まれて、広場に聳え立っている。
 この聖堂を間近で見ると、誰もが「ああ、私は今、アマルフィにいるのだ」と実感することだろう。そして、この聖堂も「ようこそ、アマルフィへ!」と旅人を快く迎え入れてくれる開放感に溢れている。
 ビザンチンをはじめとする様々な様式が寄り合わさった、このユニークで愛らしい聖堂へ。
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 聖堂の入口では、聖アンドレアが逆さ十字を背負って、礼拝者を迎え入れる。また、陽を浴びて黄金に輝くファサードのモザイクの煌めき!このような、モザイクの輝きに彩られたイコンを観るのが大好きだ。萌え、である。