ヘンデル「ロデリンダ」

e0036980_2349359.jpgカーティス指揮/イル・コンプレッソ・バロッコ演奏によるオペラ全曲版。テキストはコルネイユの悲劇『ロンバルド王』をもとにしたサルヴィの台本を、さらにハイムがヘンデルのために翻案したもの。「英雄オペラ」に属し、主人公ロデリンダの夫に対する忠節な愛情を核としたドラマです。
死んだ夫に貞節を誓い、一人息子を守るロデリンダに、結婚を迫るグリモアルド(夫を死に追いやった張本人)やその腹黒い部下ガリバルドからの試練が襲い、死んだと思われていたロデリンダの夫ベリタルドが実は生きていて、ロデリンダの目の前に現れる…など波乱万丈。またグリモアルドの婚約者もストーリーに絡んで、話は単純ではありません(やはりコルネイユの悲劇をもとにしている感が。高潔すぎる主人公カップルにそのイメージあり)。それぞれの人物描写も複雑な性格描写でリアリティがあり、ドラマとして深みがあります。
このオペラは、ヘンデルがイギリスへ渡り「ジュリアス・シーザー」などの充実した作品を生み出していた時期のもので、音楽的にも内容の濃いものです。主人公から脇役に至るまで、それぞれに充実したアリアがあてがわれており、感心します。
特に印象的だったのはグリモアルドの伴奏つきレチタティーヴォ。オケの伴奏とセリフの掛け合いがドラマチックで、まるでフランス古典悲劇(フランス・バロックオペラ)の台詞のよう。こうした音楽は今まで聴いたヘンデルの中では無かったような、ラモーが思い出されました。

音楽学者でもあるカーティスの演奏はカッチリした手堅い内容ですが、教科書的な印象も…。やっぱりオペラには「色気」を求めてしまいます。そうした意味では、やはりヤーコプスが情感に富んだニュアンスで上手い…。
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by marupuri23 | 2005-10-21 23:53 | early music | Comments(0)