バルトリ「禁断のアリア~ヘンデル・スカルラッティ・カルダーラ集」
なぜ“禁断”なのかというと、18cのローマ教皇領では娯楽性の強いオペラの上演は禁止されていたのですが、当時の裕福な枢機卿や貴族などの芸術のパトロンは、私的にオペラを楽しむ隠れ蓑として、オラトリオという宗教音楽劇にすり替えて上演していたそうです。なので内容的には宗教的な題材。
そのオラトリオのアリアを集めた作品集ですが、そうした経緯を辿っているのでオペラアリアと同じ印象。なにしろ、ここに収められているヘンデルのオラトリオ「時と悟りの勝利」からのアリアは同じ時期に作られたオペラ「アグリッピーナ」「リナルド」でも同じ曲が使われています、歌詞が違うだけ。「アグリッピーナ」でのネローネのアリアをバルトリで聴けました(打ち上げ花火のような凄さです。これが「アグリッピーナ」の実演だったら、度肝を抜かれること間違いなし)。「復活」は全曲を昨年ヘンデル協会の公演で聴きましたが、バルトリ&ミンコフスキで聴いてみると最強ですね(天使のアリア、超人的…)。
A・スカルラッティはまだヘンデルのように整っていない荒削りの迫力が魅力的です。
一番の収穫はカルダーラのアリアではないでしょうか。4曲あり全て世界初録音です。
カルダーラはスカルラッティとヘンデルの間の世代。サンマルコ大聖堂でチェロを弾いていましたがウィーンの宮廷に招かれ、そこで作曲や演奏活動をしたとのこと。オラトリオなどの宗教曲や世俗カンタータを多く作ったそうです。
聴いてみると、カストラート向けのような超絶アリアに、叙情的アリアもという多彩な作風。全体的には優美な印象です。
http://ticket.rakuten.co.jp/music/34246/
ここはアフィリも使えるし、あとチケット取るにはかなり穴場ですかと思いますヨ!
それにしても異常な(常識を超えた)値段設定、しかも曲目未定、いやはや…。