ロイヤル・オペラ・ハウス中継上映 《マノン・レスコー》

―それは私がそのために世の中で一番不幸せな人間になった程、それほど激しい情熱で彼女を愛しているということです。彼女を自由な身にする為に、パリであらゆる手段を尽くしましたが、嘆願も、策略も、暴力も私にはなんの役にも立ちませんでした。私は彼女がたとえ世界の果てまで行かねばならぬとしても、その後を追って行こうと決心しました―
                             プレヴォ作『マノン・レスコー』より


歌劇《マノン・レスコー》は、プッチーニの中でもとりわけ好きな作品で、今回の上映を楽しみにしていました。
これぞイタリア・オペラ、これぞ恋といわずして、なにを恋と呼びましょうや…。
《ラ・ボエーム》などの有名作に比べ、上演の機会は少ないですが、最近はベルリンやローマなどでも上演が続いているそう(ベルリン・フィルの公演は来月にBSで放映予定)。来年には日本でも上演予定があり、嬉しい限りです。
原作はプレヴォの『マノン・レスコー』。上の抜粋部分が間奏曲で幕に映し出され、もうここで涙涙…となってしまいました…。
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マノンはオポライス、相手役デ・グリューはカウフマンという豪華キャスト。演出はジョナサン・ケントで、リアリズムを追求したという舞台により、二人とも渾身の演技、そして歌唱で圧倒されました。オポライスがカウフマンを引っ張るような形で、ドラマを形作っていました。カウフマンも頑張ったという印象。演劇の国イギリスですね、舞台は当然現代に置き換えられ、精神的リアリズムが重要。ですが違和感は無く、二人の恋をくっきりと浮かび上がらせていて、やはりこの作品はどこまでも恋の情熱を描いているのだと思わずにはいられませんでした。

特に2幕の再会場面でのデュエットは、真の恋人同士にしか見えない熱気を帯びたもので、目をみはりました。その後の悲劇性が更に際立ったように思えます。

指揮はパッパーノ。モダンでドラマチックな演奏で、グイグイとひき込まれてしまいました。スコアをピアノで弾きながら解説する映像もあり、作品への理解と情熱には、こちらも胸が熱くなりました…。
しばらく余韻が続きそうです。
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by marupuri23 | 2014-06-28 01:02 | opera | Comments(0)