宝塚歌劇星組公演《太陽王~ル・ロワ・ソレイユ~》
太陽王と称されたルイ14世の生涯を描いたフランス・ミュージカルで、日本初上演。2005年の初演以来、フランスの最高興業記録を打ち立てた作品です。
ウィーン・ミュージカル《エリザベート》も宝塚歌劇で日本初演でしたが、宝塚バージョンとなったように、こちらもオリジナルから変更があるとは思います。ですが、なにしろダンス主体の作品、バレエ好きだった「太陽王」のイメージとマッチしています。それこそ太陽王が愛したコメディ・バレは今で言うミュージカルに近いものですし…。
太陽王を演じた柚希礼音さんのキレあるダンス、スタイリッシュで見惚れてしまいました。
狂言回しはモリエール。この辺りもツボでしょうか。リュリは出ませんが…。ルイ14世の女性遍歴を中心としてストーリーが進みます。ストーリー的には娯楽大作の王道ですね。第1幕のマリーとの悲恋は、ラシーヌを想い起こさせるもので、せつなさが。心に残りました。
インパクト大だったのは、道化役とも言えるムッシュー(太陽王の弟フィリップ)。女装を好み、アクセサリーで着飾っていたという話そのままの出で立ちにはうなりました…。紅ゆずるさんのコミカルな演技で、軽薄さを持ちながらも世の中を皮肉る姿が冴えてました。