形に魂を吹き込む~天才陶工 仁阿弥道八

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サントリー美術館で開催中の「天才陶工 仁阿弥道八」展へ。
江戸時代後期に活躍した京焼の名工で、関西では「仁阿弥」と呼ばれ、今も人気があるそうですが、作品にはあまり接したことがありませんでした。
ですが今回接してみて、「天才」と言われるのも納得の、本当に魂のこもった良い「仕事」をしていると感じ入りました。
陶芸作品で、こんなに胸がジーンと熱くなるなんて、思いも寄らず…。

「魂のこもった」というのは、いわゆる彫像的作品といわれる置物等から最も感じられます。
思わず手のひらで抱き上げたくなるような、つぶらな瞳の兎(色絵兎置物)、こちらを見上げる無垢な表情が愛おしい子ヤギ(白釉山羊手焙)、今にも動き出しそうな柔らかい毛並の子猿(色絵猿置物)。この子猿、見えない底までもしっかりと形作られていることに驚きました。
底は見えないのだから…という発想はゼロ。
本人は当たり前に見えないはずの底まで造っているのでしょうが、そこに、モノを造っていながらもモノを超えたものを造るという気概が強く感じられて見事。そして、像のどれもが自然体で優しく愛らしい。
思わず微笑んでしまいます。

展示のメインは茶道具で、江戸時代後期の華やかさが感じられるものが多いです。
「写し」から独自のデザイン、ヨーロッパの作風を取り入れたものまでと幅広いので、「これ素敵」と思えるものも多く、自分の好みが分かるなぁと…。
これだけの作品がまとまって観られるのは貴重で、良い体験でした。
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by marupuri23 | 2015-02-03 23:35 | 美術展 | Comments(0)