リフシッツ「J.S.バッハの宇宙」《平均律クラヴィア曲集 第1巻》

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コンスタンチン・リフシッツのピアノ・リサイタルへ。
「J.S.バッハの宇宙」と称した全3回のオール・バッハ・プログラム。今回は第1回目で《平均律クラヴィーア曲集第1巻》全曲。
昨年エマールによる、スタインウェイの艶やかな音色でのラグジュアリーな《平均律クラヴィーア曲集第1巻》を聴きましたが、時を置かずして、違った個性のピアニストによる演奏を聴けるのは、滅多にない機会。

《平均律クラヴィーア曲集》は鍵盤音楽の旧約聖書と言われますが、全曲通しのプログラムは珍しいです。弾くのも大変ですが、聴く方もかなり気合が必要。
バッハが好きで、バッハの曲に取り組んでいる私にとっても、全曲通して聴くとなると、これは大変という気持ちが…(もちろん、そうでない方もいると思いますが)。
それは、やはりプレリュードとフーガの組み合わせで24曲続くということが大きいのでしょうが、自分で弾いていても感じるのが、どれも個性豊かな発想が組み合わされてできているということです。教会オルガン曲を思わせる壮大なものから、ロココ調の優美可憐なもの、そして燃えたぎる情熱が放たれるものまで、それこそ人間が感じうる全てのものが表現されているかのよう。
その多様性は、とてもバッハという一人の手によって為されたとは思えないほどです。バッハの曲を弾くたびにそう思うのです、「凄いなぁ」と…。

リフシッツのバッハ、声部を弾き分けて構成を伝える、曲から曲への滑らかな流れを創るという基本はきっちり押さえながら、独自の解釈を打ち出していく、目の覚めるようなバッハでした。
1番ハ長調のプレリュードは最初の曲ということもあり、どのように弾くか難しいところだと思いますが、初めのフレーズをいきなり強音で、その後同じフレーズを弱音で弾いたのには驚きました。アフタートークの礒山先生の話だと、これはバロック音楽の特徴であるエコー効果とのことで、なるほどと…。勉強になります。
一つ一つの音を噛みしめるように奏でるリフシッツ。音色のコントラストをつけるために、ペダルを駆使しており、その効果がとてもよく出ていました。
私が感銘を受けたのは8番変ホ短調。まるで彼岸から聴こえてくるような響き、これは祈りだ…。

使用ピアノはベヒシュタイン、落ち着いた重厚な音。
このピアノとリフシッツでブラームスも聴きたいなと思ったら、アンコールでブラームス《カプリッチョ》を弾いてくれました♪嬉しいおまけ。
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by marupuri23 | 2015-02-08 23:55 | コンサート | Comments(0)