《ノートルダム・ド・パリ》牧阿佐美バレヱ団

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プティが振付けた《ノートルダム・ド・パリ》の公演へ。一度実際に観たかったので、念願叶って…となる。
ヴィクトル・ユーゴー(原作)によって描かれるストーリーは、中世をそのまま映像にして目の前で見せてくれるような、生き生とした感覚があって大変魅力的だが、この作家が抱く思想の表現も、芸術性の高いもので圧倒される。この文豪を生み出したことを、フランスは本当に誇ってよいと思う。
この物語は、私もそうであるように、現在に至るまで人を惹き付けてやまないのだろう。この原作を基とした映画やミュージカル、ディズニーアニメからオペラと作品が様々にある。

原作の結末は死を持って終わるという、悲劇的なもの。プティの台本・振付は原作に沿った展開で、舞台の登場人物を中心人物の4人(エスメラルダ、カジモド、フロロ、フェビュス)に絞ることで、ストーリーを凝縮させ、スピーディーに悲劇を展開していく。
そして、真の主人公ともいえる“ノートルダム・ド・パリ”!このゴシック教会の鐘の音が響き渡るパリを、中世の人々がざわめくパリを、プティは洗練された振付(サン=ローランの衣装に合っている)で上手く見せてくれていた。

このバレエ団の公演に接するのは、たしか《ピンク・フロイド・バレエ》以来だ(懐かしい…)。
エスメラルダを踊ったニコレッタ・マンニ(ミラノ・スカラ座プリンシパル)が、本当に美しいというほかなく、天使のようだった。その優美さに、もううっとり…。衣装は白とボルドーの色で、エスメラルダだけど、緑じゃないんだと(私はちなんでエメラルド色の服を着ていったのだけど…、どうでもいいことですね)。
もちろん、カジモドの菊池さんも魂が憑依したような、白熱した踊りで、迫力満点。素晴らしかった。
群舞は統一された独特のモチーフのある動き。モーリス・ジャールの音楽や衣装を含め、具体的な中世世界の表現というよりも、あくまで抽象的。《カルミナ・ブラーナ》の雰囲気(あそこまで猥雑さはないが)を思い出した。
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by marupuri23 | 2016-06-13 23:16 | BALLET | Comments(0)