ベルリン古楽アカデミー~J.S.バッハとC.P.E.バッハ(H28.6.23)

 今回の来日プログラム1回目は、J.S.バッハとC.P.E.バッハを交互に組み合わせたもの。加えてモーツァルトもあり(J.S.バッハ平均律の編曲)、私にとっては最高のプログラム。演奏機会の少ないC.P.E.バッハが真打ちということで、期待に胸膨らませていた。今年初めに聴いたC.P.E.バッハのチェンバロ&ヴァイオリンのソナタも、なんともギャラントで素敵だったなぁと…。

 そして、よくぞ、C.P.E.バッハをやってくれた!と心の中で喝采を叫んでしまうほど、期待通りの「ベルリンのバッハ」だった。オーボエ協奏曲に、《6つのシンフォニア》第5番&2番と計3曲。さすが力を入れているだけあって、溌剌として、生気に溢れたC.P.E.バッハ。その魅力が存分に伝わってくる演奏で、楽しかった。ここでのアンサンブルの見事さは言わずもがな。
 ハイドンは自分の師といえるのは彼だけだったと公言していたそうだが、影響は明らかだ。特に《6つのシンフォニア》は斬新。機知に富んだ、こちらをハッとさせるような意外性のある展開で、人を楽しませてくれる。才気溢れるといった感じ。また、甘やかな緩楽章の美しいこと…。

 そう、エマヌエル(C.P.E.バッハ)の音楽は、父とはあまりにも違い過ぎる。様式の違いはもちろんだが、もう、音楽というものの意味が根本から異なってしまっていることが伝わってくる。時代は変わったのだ、親を乗り越えたのか、もしくは否定したのか…。
 当代一の人気を誇ったエマヌエルも、時代が進むと手厳しい評価に晒され、父が世間から忘れ去られたように、自らも同じ道をたどることになる。時代によって、評価が様々に変化していくことを実感させられる…。父の音楽は、今や揺るぎない地位を確立しているが、息子の音楽も(フリーデマンやクリスティアンも含めて)再評価がさらに進んで、また実演に接する機会を楽しみにしたい。
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by marupuri23 | 2016-06-26 01:41 | コンサート | Comments(0)