バッハの「音楽の力」

 国際バッハコンクールのオルガン部門で、冨田さんが日本人として初めて1位になったとのこと。審査員から「バッハの音楽の力を感じさせてくれた」と最高の褒め言葉。冨田さんはこれから指揮やアンサンブルも極めていきたいとのことで、日本での演奏も楽しみにしている。

 最終審査で演奏された《パッサカリア》は、先日コープマンでの演奏でも実際に聴いたばかりだが、バッハのめくるめく壮大で無限的なアラベスクの世界に鷲掴みとなる、バッハを聴く醍醐味が詰まった曲。オルガンによる演奏は、音がそのまま天に直接繋がっていくような、宇宙的な広がりを感じさせる。
 バッハの「音楽の力」、私はバッハの音楽はとても「強い」と思っている。その強さが、音楽を信じるということの拠り所にもなれば(感覚をニュートラルな状態にしてくれる)、自分が弱っているときは、その強さに引き摺られてしまうこともある。
 …確かなのは、バッハの音楽は私にとって欠かせないということ。その存在に、感謝している。

 ALL OF BACHのサイトで、先週アップされた佐藤俊介さんのヴァイオリン・ソナタもいい。このBWV1016の第1楽章は、まるでコレッリだ。イタリア風の流麗さが際立つ。第4楽章はバッハらしい生き生きとした溌剌さがあって楽しい。エマヌエルとの関連も言及しており、インタビューでも大活躍だ。

 

 そして、こうしたブランデンブルクを実際に聴けたら!いつもながら「バッハはこうでなくては」と思わせる鮮やかな演奏。あの細かなバッハのパッセージを、一音一音クリアに響かせる技術の確かさ(これは大変難しいことだと思う)、その技術があってこその、自由自在な即興性のある装飾の美しい流れにはうっとりだ。センスが本当にいい。バロックらしいパッションもよく伝わってくる。
 佐藤俊介さんの演奏を、今年は実際に2回聴くことができたが、日本でもバッハのアンサンブルをぜひ聴かせてほしい。


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by marupuri23 | 2016-07-18 01:12 | early music | Comments(0)