ヴェネツィア2日目の夜は、21時からサン・ヴィダル教会でのコンサート。
ヴェネツィアに来たからには(という台詞が多くなってしまうが)、やはりヴェネツィア音楽の代名詞であるヴィヴァルディを聴きたい。ということで、ヴェネツィア室内合奏団(Interpreti Veneziani)によるヴィヴァルディ4曲&バッハ1曲を聴いたのだが、こんなに素晴らしいヴィヴァルディを聴けるとは思わず、もう腰が抜けてしまった。
これまでに、様々なアンサンブルで(ベルリン・バロック・ゾリステンやヴェニス・バロック、ベルリン古楽アカデミー、エウローパ・ガランテ、等々)ヴィヴァルディを聴いてきたけれど、私にとって、これこそ最高のヴィヴァルディ!なにしろ、ここで毎日のようにヴィヴァルディを弾いているのだ。上手くないわけがない、それになんといっても「お国もの」だ。音色に華と艶やかさがあって、まさにヴェネツィアそのものの印象だ。
失礼ながら、演奏を聴く前までは、観光客を対象とした、緩い感じなのかなと想像していたのだが、始まってみるともうビックリ。周りの観客も私と同じような「観光気分」の方が多かったと思うが、演奏が始まってみると、みなぎる音楽の集中度と迫力に、どうやら「これは真剣に聴かないといけない」と感じるようで(ちょっと声を出すと係員が注意に飛んでくる)、小さいお子さんを連れてきた方などは、少々気の毒なだぁと思ってしまったが…。
アンサンブルとしてのバランスもよく、特に要のチェロが情熱溢れる弾きっぷりで(魂籠めて…という表現がぴったり)、演奏をグイグイとリード。このチェロのお兄さん(アマディオさん)に、すっかり魅了されてしまった。もちろん、他のメンバーもいい。
会場には彼らのCDもたくさんあって、早速今日聴いたもの(もちろんアマディオ兄さんがソリストのもの)を購入。
パンフレットを見ていたら、なんと2週間後に東京での来日公演が控えているではないか!謳い文句も「日本におけるヴェネツィア室内合奏団が奏でる、真のヴィヴァルディの世界」だ。
これは是非とも行かねば、「また聴けるなんて嬉しい!」と思いながら東京に戻ってチケットを求めようとしたところ、「完売です」と…。また来年も来ていただけることを願っている。
★上のパンフレット、合奏団メンバーの撮影場所は、聖ロッコ同信会館(スクオーラ・グランデ・ディ・サン・ロッコ)。本当に見事な室内装飾!