ロレンツィオ・ヴェネツィアーノ《リオン祭壇画》

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 この祭壇画の聖母マリアを見て、「あ、観音様だ」と思ってしまった。ビザンツ様式の名残がそう感じさせるのだろうが、なんと東洋的なのだろう。光背(頭光)や宝冠、頭部を覆うベールと体にフィットする衣の感じが、観音様そのものだ。西洋と東洋は、やはりあるところで繋がっている。絵画においても、歴史を遡れば遡るほど、そう思えてならない。
 それにしても、650年前のものとは信じられないほどの優美さに、ただ茫然と見入ってしまう。
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 これはアカデミア美術館の初期ヴェネツィア派(14世紀後半)の間にある、ロレンツィオ・ヴェネツィアーノ《リオン祭壇画》。ヴェネツィア絵画の祖である、パオロ・ヴェネツィアーノを継承し、10点近い作品が現存しているとのこと(宮下規久郎著『ヴェネツィア 美の都の一千年』より)。ロレンツィオは、パオロよりも人物描写が自然でたおやか、表現的にも洗練されている。そして、この華やかな色彩が、いかにもヴェネツィアらしい。素敵だ…。

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by marupuri23 | 2016-11-26 23:18 | イタリアへの旅  2016 | Comments(0)