メシアン/ドビュッシー/バルトーク カンブルラン指揮:読響定期演奏会(H29.4.15)

 すっかり春爛漫の陽気。イースターを明日に控えたこの時節にふさわしい、前半のプログラム。
 メシアン《忘れられた捧げもの》は、本格的な作曲を開始した頃のもので(20代前半)、初期からカトリックの信仰に貫かれている姿勢が明確。イエスの憐みとそれを忘れてしまった人間の罪がテーマであり、イエスの「十字架」「聖体の秘跡」と人間の「原罪」のコントラストが心に響く。最後に弦で奏でられたピアニッシモ、このかすかな一筋の光線のような表現は、やはりメシアンでこそのもの。この敬虔な想いを、自分は生かされているのだという感覚を忘れないようにしたい。

 そしてドビュッシー《聖セバスティアンの殉教(交響的断章)》。これは初めて聴く曲だったので、楽しみにしていたもの。ダヌンツィオからの依頼と作詞ということもあるからだろうか、第1曲〝百合の園”開始のファンファーレがジャポニズムの感覚がかなり強かったので驚いてしまった。題材はもちろん殉教した聖セバスティアンなのだが、私の中ではプッチーニ《マダム・バタフライ》《トゥーランドット》と音楽が被ってしまった。ドビュッシーは音楽のジャポニズムの第一人者だが、ピアノ曲や《ペレアスとメリザンド》等でも、ここまでくっきりと感じたことがなかったので...。
 第2曲「法悦の踊り」から終曲「良き羊飼いキリスト」では、ドビュッシーの真骨頂ともいえる、神秘的な雰囲気に包まれて、殉教の魂も鎮まるような穏やかさ。この2曲を通して宗教的静謐さに満ちた前半から、後半のバルトークの歌劇《青ひげ公の城》へ。このバルトークが素晴らしくて!オーケストラを聴く醍醐味を存分に味合わせてくれた壮絶な名演、また改めて記したいなと。
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ジョヴァンニ・ベッリーニの描く美しすぎる聖セバスティアン。
ヴェネツィアのアカデミア美術館にて。


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by marupuri23 | 2017-04-15 22:56 | コンサート | Comments(0)