《ベニスで恋して》(Pane e tulipani,2000)

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 人生の意味とは愛し愛されることだ、と感じさせてくれる映画。人を愛することは、人生を照らす光。そのことを声高に謳い上げるのではなく、むしろ淡々とした語り口。ストーリーが進むごとに、ジワジワと幸福感に満たされ、最後は大団円!こうでなくっちゃ♪
 映画の舞台は、これほどまでに恋人たちの姿が似合う街はないだろうと思われるヴェネツィア。ロマンティックを絵に描いたようなところだが、ソルディーニ監督は「これぞ、ヴェネツィア」という撮り方をしない。旅人であるヒロインを取り巻くヴェネツィア住人の視点から、日常風景を描いている。それは迷宮のような路地に小さな広場の井戸、そして運河にかかる橋。いわゆる名所と呼ばれる場所は映っていないが、そこは、やはりヴェネツィア以外の何処でもない。
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 昨年9月、ヴェネツィアにて(劇場から宿に帰る途中、橋の上で)

 ヒロインと恋に落ちるヴェネツィア住人フェルナンド(ブルーノ・ガンツ)が、アリオスト『狂えるオルランド』を暗唱する場面がある。オルランドがメドーロとアンジェリカが結ばれたことを知って狂い悶えるハイライトシーンだ。恋は人を狂わせるもの、思ってもみなかった自分が現れる。そう、アモーレ(愛の神)の技は、過去から現在に至るまで、かくも強烈なのである。

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by marupuri23 | 2017-07-01 22:27 | 映画 | Comments(0)