《ローマ法王になる日まで》(Chiamatemi Francesco - Il Papa della gente,2015)

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 昨年、システィーナ礼拝堂でガイドブック(ミケランジェロの本)と双眼鏡を手にしてフレスコ画に見入っていた際、近くにいた方から「ガイドブックを見せてほしい」と話しかけられた。ガイドブックを手渡して「どこからいらしたのですか?」と尋ねてみると「アルゼンチン」との返事。そうだ、現ローマ法王フランシスコはアルゼンチン出身だったな、と思いがよぎったものの、あまりおしゃべりをしてはいけない場所だったので、残念。

 そんな思い出もあったので、ダニエーレ・ルケッティ監督の《ローマ法王になる日まで》を鑑賞。法王フランシスコの若かりし頃を中心に描いた伝記映画だ。こうした伝記映画は「作られた物語」という面があることは否めず、その内容に縛られてしまうことを恐れて、あえて「観ない」という方もいるだろう。私もよほど思い入れがあれば観ないという選択をしただろうが、カトリック(キリスト教徒)ではないし、好奇心の方が勝って映画館へ。

 撮影のほとんどをアルゼンチンで行ない、アルゼンチンの役者にスペイン語でという力作。圧巻が1976年からの軍事独裁政権での状況で、背筋が凍った。それは「汚い戦争」と呼ばれ、3万人が死亡または行方不明となった暗黒時代である。そうした過酷な状況でのホルヘ・べルゴリオ神父(フランシスコ法王)を、苦悩して行動を選択していく人間の姿として描いているところが、良かったなぁと。
 ルケッティ監督は、無宗教の立場で扱ったそうだが(ご自身はカトリックではないとのこと)、べルゴリオ神父を含む人々と独裁政権との闘いについて、宗教や信仰、無信仰、カトリックか否かを超えた普遍的なプロセスを描いたと語っている。アルゼンチンへの理解を深めることができたのも、大きな収穫だった。
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ヴァティカン博物館のお土産コーナーにて。
パーパ(papa ローマ法王)もいらっしゃいました。

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by marupuri23 | 2017-07-04 21:29 | 映画 | Comments(0)