バイエルン国立歌劇場《タンホイザー》~NHKホール H29.9.28

 なんといっても序曲からペトレンコの指揮によるオーケストラ演奏が素晴らしく、先週のスカラ座の余韻が吹き飛んでしまうほど見応えのある舞台だった。
 オーケストラ、歌手ともにペトレンコのペースに付いていくのが大変そうな箇所も見受けられたが、この方は自分の作りたい音楽がかなりクリアなのだろうと。
 ヴェーヌスベルク(快楽の園)の音楽の鋭さと対比するように、ヴァルトブルクの場面では歌心に溢れた流麗さがあり、その緻密で滑らかな美しさに、ちょっとワーグナーではないみたいだ(今まで接してきたワーグナーとは違う)と感じたり…。
 私は《タンホイザー》の音楽には共感できるものの、台本には正直言って古さを感じるというか、そのドラマに共感できない。その認識を覆してくれるような演出に出会えることがあればと思っているが、ともかく、日本に居ながらにして、ここまで指揮、歌手、オーケストラと高レベルで揃い踏みした公演に接することができるとは、なんと幸せなことだろうか。
 
 この日本に居ながらにして…、つまり引っ越し公演について会場で配布されているNBSニュースに記事があり、一応オペラ愛好家(年に数えるほどしか行かないので、そう名乗るのは気が引けるが)としては興味深く読んだ。
 一般的にオペラがハイカルチャーであるという意識は、日本だけではなく、観客の高齢化もまた同様だろう。しかし、クラシック音楽と同様に、オペラの生命力には凄いものがある。これだけ人の感情を揺さぶり、美を感じさせるものが、観客の高齢化とはいえ、そうそう世の中から消え去るとは思えない。そして、その素晴らしさを皆に知ってほしい、特に若い人に、また聴いてみたいという人にはもっと気軽(もちろん値段も)に体験してもらって、その美しさに感動してほしい、感動をより大勢の方と共有したいという想いはもちろんある、自分ではなかなか具体的な形に出せないのが残念だが…。

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by marupuri23 | 2017-09-28 23:40 | opera | Comments(0)