トリノのテアトロ・レージョ前、今シーズンの公演ポスター オープニング公演は《トリスタンとイゾルデ》
《Trisutano e Isotta》と囁くと、違うオペラのような不思議な響き
オペラ・ファンの端くれとしては、トリノへ来たからにはここへ詣でねばと思うのは当然なのだが、オマーンで引っ越し公演中(演目は《アイーダ》)だったため、今回は残念ながらオペラ鑑賞ならず。この劇場はプッチーニとも所縁が深く《マノン・レスコー》《ラ・ボエーム》が初演されており、それを思うと胸がじんわりと熱くなる。いつの日か、ここでオペラを観たいものだ、と。
諦めきれず、外から内部をジロジロと観察。ここもエレガントな劇場で溜息。
私は「劇場」が与えてくれる、ひと時の非日常性が好きだ。劇場は、舞台へと続く魅惑的な世界への入り口であり、劇場に観客として入った時から、すでに劇は始まっている。
トリノの宿はここから1,2分という近さ。劇場前を通り過ぎる度に「ああ、オペラが観たい…」(泣)となる。
入口上にはオペラの演目が掲げられているが、見ていくと定番ものはもちろん、モンテヴェルディ《オルフェオ》、ヴェルディ《十字軍のロンバルディア人》、プーランク《人間の声》、アンドリュー・ロイド=ウェバー《エビータ》とミュージカルも、そしてヴォルフ=フェラーリ《スザンナの秘密》というラインナップで、羨ましさのあまり卒倒しそうになる。