2つの『沈める寺』~ドビュッシーと志村ふくみ

先日見た、志村ふくみさん(染織「紬織」での人間国宝)の作品集の中に、『沈める寺』と題された紬織振袖がありました。同名のドビュッシーのピアノ曲から連想されたのでしょうか、神秘的な紫色の地に、霧がかったような白の格子が入っており、そこからは『沈める寺』で鳴っている鐘の音が響いてくるようです。振袖なので、さらに幻想的な華やかさが加わっています。

ドビュッシーの『沈める寺』は、ブルターニュの海から浮かび上がる、この世のものとも思えぬ美しい都、ディスのカテドラルが描かれ、志村ふくみさんの『沈める寺』では「夢幻の如く池の底から浮かび上がってくるような」華やかなりし平安、平等院の幻影が重なっている…。当時の人々は平等院鳳凰堂を地上に出現した極楽浄土と捉えていたそう。

ちょうど今日のNHK教育「スーパーピアノレッスン」で、この曲が課題となっていました。
微妙な組み合わせの和音が連なって、次々と音響が浮かび上がり消えていく…。
これを夢幻と言わずして何と言うのでしょう。

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by marupuri23 | 2006-06-27 22:26 | piano | Comments(0)