バッハ インヴェンション解体講座 1

今月1日のBCJの鈴木雅明氏による古楽レクチャー、きちんとまとめておかなくてはと思っていましたが、なかなかそうもいかず今に至ってしまいました。

《インヴェンション》はピアノを習うならば、初歩段階で必ず通る道。ピアノは幼稚園時から初めていますが、この曲集は今まで弾いたことがなく、現在ちょうど行なっているところなのです。なので、嬉しさ一杯で講座へ行きました。
納められている30曲はどれも短い曲で、構成も2声、3声の単純な部類に入るもの。このシンプルさゆえに、かえって、バッハの作曲術の凄さが、そのバッハの曲というものが、それこそ髪一筋のスキもないほどの完成度で作られているということが、よく分かるのではないかと思います。これだけの素材で、よくもまあここまでのものを創れるものだと、感嘆するのみですが。

バッハ作品の中心は、声楽曲(カンタータ等)。ですが声楽、鍵盤作品とも中心のところでは、共通の概念で作られているとのこと。講座を聴いているうちに、「なるほど…」と納得。
この時代では、音楽に対する概念が現在とは違っており(私は違うとは思いませんが、一般的に)、哲学の範疇に入るもので、主義主張を発表する手段、つまり言語に近いもの。これはルターにおける言葉と音楽の関係に結びついてきます。『音楽』は神の賜物。ルターのコラールの導入によって、音楽が重視され、音楽による説教という価値観が確立。「言葉」と「音楽」両者が統合し、創作過程もシステム的に発展。
創作過程は5分野に分類でき、その1番目がInventio(インヴェンション)。これは作品の基となるテーマのこと。このテーマはインスピレーションのみによって得られるものではなく、もっと事務的な(例えば喜びを表現するなら長調を選ぶなど)もので、職人仕事のように組み立てていくもの。テーマは万人に共有の財産であると考えられました。つまり、題材なので、どのようにも発展でき、誰でも分かち合えることのできる共有財産。

だからといって、その与えられたテーマから、誰もがバッハのように曲を発展させていくことができるかと言えば、そうではないですよね…。
[PR]
by marupuri23 | 2006-07-25 23:54 | piano | Comments(0)