新国立劇場《イドメネオ》 2

気がついてみると、この公演自体の感想が抜けておりました…。
このオペラ、実のタイトルは《イダマンテ》ではと思えるほど、藤村さんの存在が際立っておりました(やはりというべきか…)。数年前の《カルメン》では、クールで知的なカルメン像を作り上げており、それが、あるべき姿のカルメンであるかどうかは別として、この方の個性が打ち出されており、興味深かったです。世界の檜舞台でも遜色なく主役級を担うことのできるメゾでいらっしゃるので、いつもスズキやブランゲーネ、フリッカではと思いますし、また日本でいろいろなものを歌っていただきたいです。

タイトルロールの方ですが、ちょっとパワー不足。このオペラの要なのですが、今回は完全に息子に持っていかれてしまいました。特に2幕の大アリア「嵐の海からは逃れたものの」は、切迫した心理状態が、モーツァルトらしいパッセージで展開されていく見事な曲で、ドラマの進行上でも重要な部分だと思うのですが、それが伝わってこないのは残念でした。
このオペラ、本当に音楽そのものによって心理的ドラマが展開していくので、演奏がそれをきっちり伝えてくれないと、なかなか見る側に伝わっていかないのではと思います。

そうした意味で、今回の演出は音楽を妨げず、こちらを混乱させないものでした。だからといってそうしたものがベストかなのかと言えば、そうでもないとは思いますが…。
ちょうどノイエンフェルスの演出したこのオペラ、初演は03年ですが、上演の是非について日本の新聞でも大きく取り上げられています。この方のモーツァルト《後宮からの逃走》、観ましたが、ここまでくると私にはもう着いていけません、ごめんなさい。なので、あまり見たいとは思わないのですが、どうなのでしょう。
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by marupuri23 | 2006-11-01 23:52 | opera | Comments(0)