キリスト降誕
ラ・トゥール《キリスト降誕》。この画家による《大工の聖ヨセフ》の図版が、なぜか家にあり、小学生の頃、早朝の時間つぶしに布団の中でよく眺めていました。そのリアルな炎の描写に「まるで写真みたい…」と感嘆の想いでした。静寂さが支配する、時が止まったような別次元の世界。
数年前に本物の《大工の聖ヨセフ》をルーブルで観た時は、もう感激。別の画家がコピーしたものが、昨年ラ・トゥール展で日本に来ましたが、質は高いものの、やはり比べものになりません。ストックホルムでも真作の1つ《聖ヒエロニムス》を観れたので、嬉しかった。
人間の内面性まで描き出した、厳しい観察眼が窺える絵が多いです。カラヴァッジオとは異なった光と闇の世界を表現しています。私の中ではカラヴァッジオはヘンデル的、こちらはどちらかといえばバッハ的(静謐さが強い)かな。
ガーディナーによるクリスマス・カンタータ。このジャケットの赤ちゃん、つぶらな瞳がなんとも微笑ましい。なんて愛らしいんでしょう!子供は光。
BWV151《甘き慰め、わがイエスは来ませり》の1曲目のアリアが素晴らしい。イエスが今生まれたのです!という喜びを、しっとりした甘美なメロディーで表現。
オーボエ・ダモーレが、〈ダモーレ=愛〉そのままに、イエスへの愛を歌っています。それにからむオブリガート・フルートの軽やかさ、まさに天国的。