二期会公演《ダフネ》

ここのところあれこれとありまして、なかなか書き込めず、ほぼ一ヶ月振りの投稿となりました。舞台&音楽鑑賞は今年に入り《アンナ・ボレーナ》、J.S.バッハ《チェンバロ協奏曲》、ドゥアト《バッハへのオマージュ》、そして映画「マリー・アントワネット」(アントワネットやヴェルサイユには惹かれませんが、ラモーのオペラシーンがあるので…。アントワネットはグルックとの結びつきが強いのですが、こちらは全く出てきません。グルックはヴェルサイユというイメージではないのでしょう。ラモーに対抗した、ルソーのオペラも登場)

昨日は二期会の公演へ。若手中心のニューウェーブ公演(バロックオペラ)を除くと、4年ほど前の《ニュルンベルクのマイスタージンガー》以来でしょうか。

《ダフネ》はシュトラウスの晩年に作られた、前衛的ではないものの、円熟さを感じさせる作品。私はシュトラウスの作品についての知識はあまりありませんし、作品も特定のオペラ以外はほとんど聴いていませんが…。
私の感じ方ですが、シュトラウスのオペラは後のものになればなるほどに、時代を遡って昔に戻っていくようです。時代背景とも関係しているのでしょうが、時代の先端、前衛を追い求めるのではなく、周りと調和しつつ、自分の世界を完成させていくような円満さを感じます。特に、最後のオペラ《カプリッチョ》は、本人の遺言的な作品。心に響くメッセージがストレートに伝わってくる、シュトラウスのオペラの中では最も好きな作品です。このオペラから作られたチェンバロ組曲、スコア欲しいです(弾きたい)…。でも見つからず。

今回の公演ですが、演奏については、シュトラウスの円熟さを表現し、このオペラの魅力を引き出していたようには、あまり感じられませんでした。波のうねりのように、大きくこちらに寄せてきたかと思うと、すーっと退いて行く…、そうしたダイナミックなうねりが無い。まるで津波のように押し寄せてくるばかり。これではうるさいだけになってしまいます。
シュトラウスのオペラで忘れられないのは、4年前にコンロン指揮で聴いた、パリオペラ座管の《サロメ》。うねりが素晴らしく、目から鱗でした。引き際のピアニッシモの響き…、これを日常的に聴いている人たちが本当にうらやましかったです。

そしてダンス、もっと身体自身の動きで勝負して欲しかったと思います(道具を使わず)。下半身の動きがあまり無いのは(メインダンサーも)、動きが限定=表現が限定されてしまう印象。ダンスでの身体表現には、やれることがもっとたくさんあるはずです。そして音楽との相関性が感じられない、つまり、音楽はシュトラウスでなくても、なんでもいいのでしょう。
[PR]
by marupuri23 | 2007-02-12 00:05 | opera | Comments(2)
Commented by せしる at 2007-02-17 11:12 x
こちらではご無沙汰しております。
先日ご一緒ありがとうございました。「ダフネ」では,まるさんのかねてからおっしゃっていたシュトラウスのうねり・・・少し理解できたように思います。というのは,やはり私にもうねりが感じられなかったからです。

(以下演奏者への批判ではないことを申し上げた上で書きます)
何が違うのでしょうか? 
観客よりも早く電車に乗って家路(?)に急ぐオーケストラの団員。
楽器の質やメンテナンスは充分かしら・・・つまりそれを補ってあまりある報酬を得ているかしら?
楽屋の廊下を通ったときのタバコの煙のすごいこと!(こんなところからも,個々の団員のストレスを感じます)
一つのオーケストラの公演回数もなんと多いこと!!その他に地方公演・海外公演・バレエやオペラのピットに入る・・・など,一人の演奏者がすべての公演をこなすわけではないにせよ,相当の仕事量です。
楽屋から出て行く団員に,演奏が上手くいった満足感ではなく,疲れややるせなさの表情が見えるのが気になります。
Commented by marupuri23 at 2007-02-18 22:57
せしるさん、こちらこそ先日はお付き合いいただきありがとうございました。体調はいかがですか?ここのところ寒暖の差が激しいので、それも影響しているのではと…、どうぞお大事になさってくださいませ。

演奏については人それぞれ感じ方が違いますが、心から感動を覚え、それこそ魂が揺さぶられるような、強烈なインパクトが得られる演奏というのは、一生の中でもなかなか無いのではないかと思っています。与えられた人生の中で、少しでも多くの感動できる音楽、舞台に巡り会いたい(巡り会うためには、まず聴いて、観てみなければ、何も始まらないのですが)。

オケの団員事情については、私もよく知らないのですが、どの世界もピンキリということでしょうか??やっつけ仕事という部分もあるのかもしれませんね。ただこなしていくというスタンスでは、こちらに感動が伝わってくるわけがありません。