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新国立劇場《軍人たち》 その1

仕事明けで眠い目をこすりこすり向かった本日の公演。1970年に自ら命を絶ったドイツの作曲家、ツィンマーマンによるオペラ《軍人たち》の鑑賞です。

芸術はその時代を映す鏡でもありますが、このオペラも例外ではなく、当時の思想と音楽との照らし合わせが行なわれています。音楽的には、いわゆる「現代音楽」となって表現され、本人曰く「時間の球構造」の音楽化を試みているそうですが…。
ベルクソンなどの理論を知っているならともかく、こうした哲学的なことは私も無知なので、「過去・現在・未来を同時に内包する心理的な時間を想定」と言われても(@0@)となってしまう…。
…勉強します。

実際のツィンマーマンの音楽、イメージ通りの「現代音楽」の枠内。どこにオリジナリティがあるのか、私にはよく分からず…。今はありとあらゆる音楽が溢れている時代です。
でも、その当時はもっと斬新に捉えられたことでしょう。初演より43年、時代のスピードはどんどん上がってきていますので、この作品、もう「現代」とは言えなくなってきているように感じます。

永井荷風によるオペラ雑感に、「ワグネルのオペラは音楽以上の使命を帯びたもの…」とありましたが、ツィンマーマンも表現しようとした「使命」、その達成が叶わずに、理想と現実の間で引き裂かれて、自ら命を絶ったのでしょうか…。
by marupuri23 | 2008-05-07 23:53 | opera | Comments(0)