バッハの子守唄~《BWV82 われは満ちたれり》

キリストの神殿奉献に題をとって紡がれていくカンタータ。ルカ福音書に、メシアに会うまでは決して死なないというお告げを受けたシメオンという老人が出てきます。幼子のイエスが両親に連れられて神殿に出向いたとき、そのシメオンと出会いました。イエスを抱きしめて「主よ、今こそあなたは、お言葉どおりこの僕を安らかに去らせてくださいます。わたしはこの目であなたの救いを見たからです。」と神を称えるシメオン。

救いを見、安らかな思いでこの世を去れることを喜ぶシメオン、その思いに添った形で《われは満ちたれり》は歌われます。
バッハのカンタータでは、死は新たな生(神の国での)への始まり。新たな生の出発を約束され、満ち足りた思いでこの世から去るのだという、切々とした待望の思いが伝わってきます。

有名なバスのアリア「まどろめ、疲れた目よ」は、揺りかごの中で子守唄を聴いているような、とても優しい、”癒し”の曲。
ヴェニス・バロック・オーケストラ&キルヒシュラーガーで歌われたバージョンが気に入っています。
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by marupuri23 | 2008-09-01 00:00 | early music | Comments(0)