新国立劇場オペラ研修所公演《カルメル会修道女の対話》

13日の公演を鑑賞。
一昨年の研修所公演《アルバート・ヘリング》は、質の高い舞台に感心しましたが、今回の公演でも立派な成果を見せてくれました。十分に音楽・演技とも練り上げられています。
見事だったのはマダム・ド・クロワッシー(修道院長)の壮絶な死の場面、「死の恐怖」が舞台一杯に迫ってきました。

このオペラは宗教的(カトリック)なテーマを扱っているので、捉えにくい部分があります。重要なキーワードである、「殉教」という概念もあまり馴染みが無い。
そして純白(blanc)のブランシュ(blanche)…、生きることにも、死ぬことにも、あらゆるものに恐怖を抱いている主人公のブランシュ、恐怖から逃れるために修道院に入ったものの、その世界からも逃げだしてしまう哀れなブランシュ。

そのブランシュが、最後には恐怖を乗り越えて、殉教のためにギロチンへ向かう。
ブランシュがこのように穏やかに、そして自ら「死」へ向かうことができたのは何故?
それはオペラの中でははっきりと明示されていません。

これは、受け手である私達が考えなさいということでしょうか…。

(私個人としては、最後の断頭台の場面で歌われる「サルヴェ・レジーナ」(めでたし女王)の対訳を、ぜひ付けてほしかった。このマリア賛歌と、断頭台の悲痛さが合い交わるところが、とても感動的だと思うからです。
〈キリストの臨終の苦しみ〉が修道名である、ブランシュの最後の歌は「栄光は父なる主に、死から蘇えられたキリストに、永遠に、永遠に…」)
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by marupuri23 | 2009-03-16 22:42 | opera | Comments(0)