2010年 08月 14日 ( 1 )

先週、相方に「ミーハーだねぇ」と言われつつ、激混み状態のオルセー美術館展へ。
「セザンヌとセザンヌ主義」というセクションが設けられており、まとめてセザンヌの絵を見られるいい機会だから。

10代の終わりに出会ったセザンヌの《赤いチョッキの少年》(バーンズ・コレクション)には、強いインパクトを受けました。「普通の」肖像画とは違い、少年期の不安定さを感じさせる、ナイーブな内面が伝わる表情、そして独特の色使い。
「美しい」というのとは違う、でもなぜこのように訴えかけてくるのだろう…。セザンヌという画家の迫力を感じました。
その後、実際にオルセー美術館や日本の美術館でサント・ヴィクトワール山を描いたものや、水浴画、静物画も見ましたが、《赤いチョッキの少年》のようなインパクトは受けず…。
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そして3年前にセザンヌの故郷、エクス・アン・プロヴァンスを実際に訪れた時のこと。
ホテルのラウンジで朝食を摂ったのですが、そこにプロヴァンス産であろう、瑞々しいオレンジやプラムなどがぎっしり並べられていたのを見た時、ハッと気がつきました。
これはセザンヌの絵そのものだと。

セザンヌの静物画に登場する果物や野菜は、本当に生命感に溢れていて、太陽の光と恵みを感じさせてくれます。
今回の展覧会での《台所のテーブル》《たまねぎのある静物》も、壁の色から果物まで、なんともいえない魅惑的な色彩。

その色合いに、命の瑞々しさを感じて、しばし眩しいような幸福感に満たされることができました。
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