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 喪失に伴う痛みと再生を驚くべき寓話性で描き上げた、なんという美しい映画!思わず涙が溢れてしまった。
 監督はナポリ出身で、まだ30代のエドアルド・デ・アンジェリス。パオロ・ソレンティーノ監督がアカデミー賞のイタリア代表作品に強く推薦したほか、ダヴィット・ディ・ドナテッロ賞の最多6部門で受賞したとのこと。それも納得の作品。
 
 舞台は海辺の貧しい田舎町(撮影場所はガゼルタ。寂れた感じの描写も素晴らしい)。移民も多く、貧困はすでにありふれたものとなっている。そんな町で、統合性双生児のヴィオラとデジーの姉妹は、まるで珍しい見世物のようにパーティーなどで歌を披露し、家族のために生計を立てている。
 もうすぐ18歳になろうとしている二人の自我がぶつかり合うのは当然で、デジーは分離手術をして〝普通”になることを強く願っている。しかし片方のヴィオラはあまり乗り気ではない。いや、デジー無しでは生きてはいけないという不安の方が強く、なぜ分かれる必要があるのかと反発する。そんな二人(二人で一人ともいえるけれど)が、分離手術を受けるために家出を...というストーリー。

 主演の二人は実際の姉妹だが、初めての演技とは信じられない!ティーンエイジャーらしい憧れと無邪気さが溢れ、明るい歌のシーンから、絶望的な境遇での思い詰めた場面まで、実に自然で胸を打つ演技。そして、より二人の無垢さを際立たせる両親、神父を演じた俳優たちも見事だった。もちろん映像も美しい。
 また、この監督の次回作を是非見たい!

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