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今日から6連休の夏休み。
とはいっても、10日前に勤務の都合で突然入れられてしまった連休。
相方もいることですので、予定を入れることは難しく…。今年は遠出はせず、のんびりと過ごすつもり。
家事に片付け整頓、試験勉強、ピアノ練習、日本刺繍の仕上げと、自宅でもやることはいろいろあるし…。

とはいえ、どこかへ出かけないと勿体無い気がして(^-^;)、じっとしていられない悪い癖…。
で、夏休み1日目はオルセー美術館展へ。
美術館に付いてみると、予想通り40分待ちの激混み状態。
これだけの作品がまとまってくることは、あまりないでしょうから、混んでいるのも分かります。
人波に揉まれながらも、お目当てのセザンヌに再会できて満足。

e0036980_8334613.jpg帰宅後はお土産のシードル片手にDVD「夏時間の庭」を鑑賞。

オルセー美術館の創立記念で製作された作品だけに、オルセー保有の美術作品群が次々と登場。

主人公が幼年時代を過ごした実家で、今も使われているマジョレルやホフマンの家具、ブラックモン(陶器は2年前の展覧会で見ましたが)のガラス花器、そしてさりげなく背景に映ったルドンの食童用装飾パネル!にびっくり。

オルセーを実際に訪れましたが、家具や工芸品を見た記憶が無いので、そのセクションを飛ばしてしまったんでしょう。当時15ユーロで購入したカタログを見ると、アール・ヌーヴォーのコレクションが充実しているのが分かります。勉強になりました…。

家具や工芸品は、やはり実際に生活の中で使われているときが、目的にかなって生き生きしていると思います。美術館に展示されることで、その美しさと歴史の流れが私たちに伝わってくることは、大変にありがたいことなのですが…。
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今年3月のパリ・オペラ座バレエ公演《ジゼル》に感激して以来、すっかりこのバレエ団の魅力に捕われてしまいました。
ですので、パリ・オペラ座の舞台裏を収めたドキュメンタリー映画、《エトワール》(DVD)を観てみました。十年前に製作されたものなので、現在活躍中のエトワールの方々は、皆初々しい感じ。
アニエス・ルテステュの気品ある美しさにびっくり。
白鳥の手の動きの芸術的なこと!
ベジャール作品では打って変わって生き生きした笑顔、溌剌さに満ち、これもまた違う雰囲気で魅力的。

舞台裏に焦点を当てたものなので、超人的に見えるダンサーもやはり人間だということがよく分かります。
トップに立っても、その立場を維持していく責務を抱え、毎日の努力が欠かせない。
自分の肉体で表現するということは、その衰えとも向き合っていかなくてはならないわけで、精神的にも苛酷。だから、美しさだけではない、鍛えられた鋼のような強靭さも併せ持っています。
いや、強さがあるからこそ、美しいのかも。
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待ちわびていた、ジェーン・カンピオン監督の最新作。

エンド・ロール後、隣の観客が「久し振りに美しい映画を観た気がする」と感想を洩らしていたが、同感。
ロマン派詩人のジョン・キーツを媒介にして描かれる恋人ファニーの物語。どこにでもいる普通の少女が、キーツと出会い、初めて「恋」というものを知る。始めはいかにも少女の恋、恋をしている自分に酔ってしまうような夢見心地。それが時と試練を経て、ファニーも成長を遂げていく、恋から愛へ、そして愛し続けること。

プラトニックな愛、2人は最後までそっと唇を重ねるだけ、でも2人が手を絡ませるシーンのなんと官能的なこと!
この表現こそカンピオン監督の骨頂倶、女性監督ならではの感性。

キーツ役のベン・ウィショー、《パフューム》でも印象に残る主演だったが、ここでも繊細さと内面の複雑さを見せる詩人役がぴったり。線は細いのに、独特の存在感を放っている。次回作のジュリー・テイモア監督《テンペスト》のエアリエルをぜひ観たい!

映像はどこを切り取ってもヨーロッパ絵画のように美しい。当時の再現に最も腐心したというだけある。
そして衣装!アカデミー賞衣装デザイン賞に4度ノミネートされているパターソンが製作。
リネンの風合いの心地良さそうなワンピース、オーガンジーの繊細なブラウス、シルクの舞踏会用の華やかなドレスと、どれも主人公ファニーの手によるファッショナブルな衣装で、女性にとっては溜息もの。
現代でも十分通用しそう(だから色彩やデザインに少々違和感があるのだけれど)。

音楽がまた秀逸。キーツと同年代(25歳)のブラッドショーが作曲。テーマ曲は男声合唱の通奏低音にボーイ・ソプラノらがメロディーを重ねていくもので、グノー=バッハのアヴェ・マリアを思い起こさせるような美しさ。
大好きなバッハの平均律第1巻ハ短調(BWV847)が使われていたのも、嬉しい驚きだった。
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3月も半ばとなり、新たな年度を向える準備で慌ただしくなっています。
今日は渋谷で映画《去年マリエンバードで》の鑑賞後、Bunkamuraでの《レンピッカ展》へ。
開催されたばかりですが、休日ともあって賑わっていました。先週訪れた《長谷川等伯展》は、ものすごい混みようで、大変でした…(松林図屏風は時間最後まで人だかり!)。

先月もあっという間に過ぎ去りましたが、映画や展覧会の鑑賞記録を、忘却の彼方となる前に留めておきます。

映画
○パリ・オペラ座のすべて
○カラヴァッジョ~天才画家の光と影

展覧会
○国宝 土偶展
○草乃しずか 日本刺繍展

コンサート
○《アーサー王》 ニケ&ル・コンセール・スピリテュエル
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モーリス・ベジャール・バレエ団の公演は、モダン・バレエ好きの先輩職員に紹介され、今まで2度足を運びました。
その中では《これが死か》《バクチ》などいくつか印象に残っています。モーツァルトをモチーフとした作品も、華やかだった記憶が。
モダン・バレエのスタンダートといった感のあるバレエ団、モダンですが古典的な美しさを感じます。ダンサー達の肉体美と動きが素晴らしく、まさに動くギリシャ彫刻。

ベジャールが逝ってから早2年。後継者となったジル・ロマンが、どのような舵取りをしているのか、今後のバレエ団はどうなるのかが知りたくて、今回映画館に足を運びました。
偉大すぎる師匠の後継者として、重圧と闘うロマン、そしてバレエ団を守ろうとする団員達の熱心な取り組みが伝わってきます。

目を奪われたのが、過去の名場面の数々。特にジョルジュ・ドンのエネルギー溢れる《ボレロ》には驚き!生命力に満ちたダンス、その表情から圧倒。

ベジャールの遺産を守るだけではない、新たな未来に向かって走り続けるバレエ団。
新たな感動を生みだすような進化を、期待しています。
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今日は休日。相方は仕事のため不在なので、午前にカルトナージュレッスンを受けた後、神保町でリヴェット監督の映画「ランジェ公爵夫人」を観ることに。

もうずいぶん昔、今は無き三百人劇場でフランスの映画監督リヴェットの特集が組まれたことがありました。そこで初めて接した監督の作品が、フランス国内で上映禁止になった「修道女」。ディドロの原作を映画化したこの作品は、カトリックを冒涜しているとして上映禁止となったのですが、当時そんなことは知らずに観て、修道院における内実を暴露的に描くストーリーに衝撃を受けました。主演のアンナ・カリーナの悲壮な美しさ、目に焼きついています。

そして今再びリヴェット作品に巡り合ったわけですが、今回はバルザックがフランツ・リストに捧げた「ランジェ公爵夫人」が原作。ラシーヌを思い起こすような、フランスの古典から綿々と列なってきている恋愛心理劇で、台詞中心。舞台劇を見ているようで、まさに「フランス的」な映画。「修道女」と同様の手法でストーリーが紡がれていきますが、その映像は甘さや誇張を排したストイックさ、強いリアリズムを感じます。
それでもやはり、ここに描かれる19世紀は美しいこと!
2月に観たルーブル美術館展に出品されていたような工芸品の数々が背景にありますが、見事な細工の燭台や装飾時計、食器、家具などは、美術館で観るよりも実際に使われている場所に置いた方が、数倍映えます…。
ストーリーは恋愛の典型的なパターンの一つ。相手を失ってから、その愛に気付くものの、時すでに遅し。その遂げられぬ思いを抑えるには、自分自身を滅ぼす以外にない…。

こうして、フランス正統派の恋愛心理劇を久し振りに堪能、充実気分。
「恋愛とは多くの場合、お互いがお互いを取り込もうとする戦争です。戦争であるからには犠牲者が出るわけです…。」サガンの言葉、思い出しました。
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