カテゴリ:映画( 21 )

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楽しみにしていたスター・ウォーズ。公開2日目に鑑賞。
第1作が公開された時は幼児だったため、1作目から3作目はテレビ放映で初めて観たのだが、その面白かったこと!善と悪の戦いというオーソドックスなストーリーだが(だから面白いのだけれど)、SFXを駆使して、銀河の壮大さを具現化した映像には、目が釘付けになった。16年後にエピソード1が公開された時は、もちろん映画館で観た。映像技術の進歩には感心させられたけど、痛快な面白さというにはなかなか…。
私的には初めの3作(エピソード4~)がお気に入りで、やっぱり第1作目が1番面白いと思う。

今回の新たなスター・ウォーズ、女性を主役に据えたということで、「時代は流れてるなぁ、やっぱり現代的だわ!」と、いやがおうにも期待が高まる。ストーリーもさぞかし、こちらの思いもしなかったような仕掛けが…とワクワクしていたが、こちらはちょっと肩すかし。期待しすぎたかも。
1作目へのオマージュといった感が強くて、というのも懐かしい面々が顔を揃えているのはいいのだが(宇宙船のミレニアム・ファルコンまで!)、ストーリーが…先が読める展開。
映像自体は、前作からの続き(数十年後)として観ても、ほとんど違和感がない設定で、細かい配慮には感心。

女性が主人公とは言っても、今回については、あまり男性との差というものが感じられない(そのまま男性が演じても違和感がない)。いいのか、悪いのか…これが新しいヒロイン像なのかなぁ。

とはいえ、好きなシリーズ。これからどうストーリーが進むのか、楽しみにしている。
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休日の午後、日頃の喧騒から離れて、ゆったりと心地よいひと時を過ごすのにはぴったりな映画。
時折、心地よい睡魔に襲われながらも、ワイズマン監督によるロンドン・ナショナル・ギャラリーのドキュメンタリーを楽しみました。3時間という長さによって、実際にこの美術館を訪れたような体験が可能です。

開館前の清掃業務から始まる冒頭シーン、観客のいない美術館。「観られる」ために飾られている世界的な名画たち。美術館というものが「観る人」あって成り立つものであるということが印象づけられます。
そして開館後の賑わい。絵と対峙する一人一人の観客の表情も様々。絵を検証する学者達、教授と学生の議論、好奇心いっぱいの子供たち。専門家によるギャラリートークは、それぞれ個性があり面白かった!絵の一般的な説明に留まらない視点で凄い。

そして美術館を支える裏方にも焦点が当てられます。修復作業や企画展に向けての打ち合わせ、運営予算会議まで映し出されており、これだけのマンパワーが投入されることで、「美の殿堂」が成り立っているのだと、鮮明に伝わってきました。

私が一番興味を惹かれたのが、絵画を一方的に「観せる」だけではなく、絵画を通じて広がる発想や体験までも提供しているところ。さらに豊潤な世界が広がっていきます、素晴らしい。
デッサンのワークショップや、絵画にインスピレーションを受けて企画されたコンサートやバレエ(しかもギャラリー内!)、詩作と朗読なども。
もちろん日本の美術館でもミニコンサートや、講演会を開催するところは多いですが、こうした視点をどんどん取り入れてほしいと思いました。
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…この美術館の、ティツィアーノ《バッコスとアリアドネー》が好き。
この絵を観ると、R・シュトラウスのオペラ《ナクソス島のアリアドネ》が想い浮かびます。とても音楽的な絵。
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イングランドのストラトフォードを本拠地とするロイヤル・シェイクスピア・カンパニーの初シネマライブへ。
今年はシェイクスピア生誕450年という記念イヤー、上演に接する機会が増えそうで嬉しいです。
来日公演で《オセロー》を観たことがあるのですが、本場の劇場はさすがに雰囲気があります。客席が舞台を取り巻くような造りで、距離が近い。これぐらい密接だと、一体感が生まれやすいのではないでしょうか。

リチャード二世、公演ポスターの肖像画でも分かるように、完全に中世の方(^^;)
開催中のラファエル前派展では、華やかなブラウンの画「エドワード三世の宮廷に参内したチョーサー」にちょこっと登場していました(子供姿)。画ではエドワード三世(祖父)と黒太子(父)に囲まれた幸福な子ども。
このように生まれながらの王でありながら、従弟により王の座を奪われ、最後は幽閉されて死を迎えるという過酷な運命を辿るのです。

劇では、まっしぐらにリチャード二世の転落を綴っていきます。
シェイクスピア劇の凄いところは、単純な勧善懲悪の世界ではなく、主演のテナントが言ったように「人間をありのままに描く、だからこそ後世まで残っている」ということなのだと思います。
リチャードは自分を神から選ばれた人間だと信じ、自分の利益中心の高慢な王。それでいて気弱で卑怯。しかし、王の座を奪われても誇りを失わんとする一種の強さを見せます。対する従弟のボリングブルック、表では正義感に溢れているように見えますが、腹の底では…というように、どの人物も複雑さがあり、一括りにはできません。
人間って、そうではありませんか?納得させられるのです。

そしてシェイクスピア劇の命、言葉。
ともかく台詞、台詞の連続で、着いていくのが大変ですが、舞台で聴くのは、読むのとはまた違った体験です。全編韻文(弱強5歩格)で書かれているので、散文との違いを聴けるのも、興味深かったです。印象的な台詞もいろいろとあり、「なるほど~」と頷くことも。
演出家が「伝統芸能」と言っていましたが、言葉で全てを表現し尽そうとするところは、型や省略が中心となる日本の伝統芸能とは違うんだなぁ、と改めて思わざるを得ませんでした…。

主役のテナントは、ひ弱で滑稽な暴君から、策略に嵌まり転落していく悲劇の王を巧みに演じ切っていました。見事ですね。
長丁場の舞台、こちらも体力と集中力が必要です(^^;)
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昨日はレディースデイ、ということで映画を2本鑑賞。
「瞳の奥の秘密」は、本年度アカデミー賞最優秀外国語映画賞の作品。
前評判の高さ通り、大変よかったです。
アルゼンチン・ブエノスアイレスの独特な空気感が伝わる、重厚な映像は見ごたえがありましたし、政治的な背景が絡んでいくミステリとロマンスが25年に亘って交差する、大河ドラマ的な流れも味わい深かったです。
主人公が過去と向かい合う中で、徐々に再生していく過程と、衝撃的なラストに深い余韻が残りました。
久々に大人の切ない恋愛物を観たという印象です。

アルゼンチンで思い起こされるのは、好きなマヌエル・プイグの小説と戯曲に、ピアソラのタンゴ。
秘めた情熱感と、どことなく退廃的な雰囲気。
ラテン・アメリカの文学に独特な、土俗と結びついた魔術や幻想を描く世界観は魅力的。

来月、ラテン・ビート映画祭が開催とのこと。
「フラメンコ×フラメンコ」(カルロス・サウラ監督)、「キューバ音楽の歴史」など、音楽モノにやはり惹かれます…。
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夏休み3日目。午前中は国試に向けて勉強。
さすがの暑さで外に出るのがためらわれ、午後はピアノ練習や刺繍をしてのんびり。
今日は相方も休みだったので、早めの夕食を済まして、車で10分のシネコンに。

友人から面白かったと勧められた「インセプション」、楽しみました。
「マトリックス」「ザ・セル」(この二つも面白かったですけど)を思い起こさせるようなコンセプトですが、「マトリックス」ほどSFチックではなく、リアリティのある近未来が舞台。
相手の深層心理へ段階を追って侵入するというアイデアが新鮮でした。最後にもっと何かひとひねりあるのかと思っていましたが…。
心理の専門家が観たら、どう思うかしかん。
心理世界の映像化は、さすがハリウッド、凄いですね。
アクションシーン満載で緊張の連続(心臓に悪い)。3時間近くがあっという間でした。

この監督さん、なかなかのストーリーテラー。前作の「ダークナイト」も観たくなりました。
また作品ごとにイメージが変わりますが、マリオン・コティヤールはやはり美しい~。
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今日から6連休の夏休み。
とはいっても、10日前に勤務の都合で突然入れられてしまった連休。
相方もいることですので、予定を入れることは難しく…。今年は遠出はせず、のんびりと過ごすつもり。
家事に片付け整頓、試験勉強、ピアノ練習、日本刺繍の仕上げと、自宅でもやることはいろいろあるし…。

とはいえ、どこかへ出かけないと勿体無い気がして(^-^;)、じっとしていられない悪い癖…。
で、夏休み1日目はオルセー美術館展へ。
美術館に付いてみると、予想通り40分待ちの激混み状態。
これだけの作品がまとまってくることは、あまりないでしょうから、混んでいるのも分かります。
人波に揉まれながらも、お目当てのセザンヌに再会できて満足。

e0036980_8334613.jpg帰宅後はお土産のシードル片手にDVD「夏時間の庭」を鑑賞。

オルセー美術館の創立記念で製作された作品だけに、オルセー保有の美術作品群が次々と登場。

主人公が幼年時代を過ごした実家で、今も使われているマジョレルやホフマンの家具、ブラックモン(陶器は2年前の展覧会で見ましたが)のガラス花器、そしてさりげなく背景に映ったルドンの食童用装飾パネル!にびっくり。

オルセーを実際に訪れましたが、家具や工芸品を見た記憶が無いので、そのセクションを飛ばしてしまったんでしょう。当時15ユーロで購入したカタログを見ると、アール・ヌーヴォーのコレクションが充実しているのが分かります。勉強になりました…。

家具や工芸品は、やはり実際に生活の中で使われているときが、目的にかなって生き生きしていると思います。美術館に展示されることで、その美しさと歴史の流れが私たちに伝わってくることは、大変にありがたいことなのですが…。
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今年3月のパリ・オペラ座バレエ公演《ジゼル》に感激して以来、すっかりこのバレエ団の魅力に捕われてしまいました。
ですので、パリ・オペラ座の舞台裏を収めたドキュメンタリー映画、《エトワール》(DVD)を観てみました。十年前に製作されたものなので、現在活躍中のエトワールの方々は、皆初々しい感じ。
アニエス・ルテステュの気品ある美しさにびっくり。
白鳥の手の動きの芸術的なこと!
ベジャール作品では打って変わって生き生きした笑顔、溌剌さに満ち、これもまた違う雰囲気で魅力的。

舞台裏に焦点を当てたものなので、超人的に見えるダンサーもやはり人間だということがよく分かります。
トップに立っても、その立場を維持していく責務を抱え、毎日の努力が欠かせない。
自分の肉体で表現するということは、その衰えとも向き合っていかなくてはならないわけで、精神的にも苛酷。だから、美しさだけではない、鍛えられた鋼のような強靭さも併せ持っています。
いや、強さがあるからこそ、美しいのかも。
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待ちわびていた、ジェーン・カンピオン監督の最新作。

エンド・ロール後、隣の観客が「久し振りに美しい映画を観た気がする」と感想を洩らしていたが、同感。
ロマン派詩人のジョン・キーツを媒介にして描かれる恋人ファニーの物語。どこにでもいる普通の少女が、キーツと出会い、初めて「恋」というものを知る。始めはいかにも少女の恋、恋をしている自分に酔ってしまうような夢見心地。それが時と試練を経て、ファニーも成長を遂げていく、恋から愛へ、そして愛し続けること。

プラトニックな愛、2人は最後までそっと唇を重ねるだけ、でも2人が手を絡ませるシーンのなんと官能的なこと!
この表現こそカンピオン監督の骨頂倶、女性監督ならではの感性。

キーツ役のベン・ウィショー、《パフューム》でも印象に残る主演だったが、ここでも繊細さと内面の複雑さを見せる詩人役がぴったり。線は細いのに、独特の存在感を放っている。次回作のジュリー・テイモア監督《テンペスト》のエアリエルをぜひ観たい!

映像はどこを切り取ってもヨーロッパ絵画のように美しい。当時の再現に最も腐心したというだけある。
そして衣装!アカデミー賞衣装デザイン賞に4度ノミネートされているパターソンが製作。
リネンの風合いの心地良さそうなワンピース、オーガンジーの繊細なブラウス、シルクの舞踏会用の華やかなドレスと、どれも主人公ファニーの手によるファッショナブルな衣装で、女性にとっては溜息もの。
現代でも十分通用しそう(だから色彩やデザインに少々違和感があるのだけれど)。

音楽がまた秀逸。キーツと同年代(25歳)のブラッドショーが作曲。テーマ曲は男声合唱の通奏低音にボーイ・ソプラノらがメロディーを重ねていくもので、グノー=バッハのアヴェ・マリアを思い起こさせるような美しさ。
大好きなバッハの平均律第1巻ハ短調(BWV847)が使われていたのも、嬉しい驚きだった。
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3月も半ばとなり、新たな年度を向える準備で慌ただしくなっています。
今日は渋谷で映画《去年マリエンバードで》の鑑賞後、Bunkamuraでの《レンピッカ展》へ。
開催されたばかりですが、休日ともあって賑わっていました。先週訪れた《長谷川等伯展》は、ものすごい混みようで、大変でした…(松林図屏風は時間最後まで人だかり!)。

先月もあっという間に過ぎ去りましたが、映画や展覧会の鑑賞記録を、忘却の彼方となる前に留めておきます。

映画
○パリ・オペラ座のすべて
○カラヴァッジョ~天才画家の光と影

展覧会
○国宝 土偶展
○草乃しずか 日本刺繍展

コンサート
○《アーサー王》 ニケ&ル・コンセール・スピリテュエル
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モーリス・ベジャール・バレエ団の公演は、モダン・バレエ好きの先輩職員に紹介され、今まで2度足を運びました。
その中では《これが死か》《バクチ》などいくつか印象に残っています。モーツァルトをモチーフとした作品も、華やかだった記憶が。
モダン・バレエのスタンダートといった感のあるバレエ団、モダンですが古典的な美しさを感じます。ダンサー達の肉体美と動きが素晴らしく、まさに動くギリシャ彫刻。

ベジャールが逝ってから早2年。後継者となったジル・ロマンが、どのような舵取りをしているのか、今後のバレエ団はどうなるのかが知りたくて、今回映画館に足を運びました。
偉大すぎる師匠の後継者として、重圧と闘うロマン、そしてバレエ団を守ろうとする団員達の熱心な取り組みが伝わってきます。

目を奪われたのが、過去の名場面の数々。特にジョルジュ・ドンのエネルギー溢れる《ボレロ》には驚き!生命力に満ちたダンス、その表情から圧倒。

ベジャールの遺産を守るだけではない、新たな未来に向かって走り続けるバレエ団。
新たな感動を生みだすような進化を、期待しています。
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