e0036980_21513096.jpg先週木曜に鑑賞しました。ヴィブラートを極力抑えた古楽歌唱法で、80年代に一世を風靡し「古楽の女王」と称されたエマ・カークビーのリサイタルです。ストレートで澄んだ歌声は、正に「天使の声」。今回はバッハとヘンデルのプログラム。
実際に聴けるのを楽しみにしていましたが、全体的にはアンサンブル含め年齢層が高いこともあり、アグレッシブな若手の演奏と比べると一昔前の古楽といった感。特にヘンデルの技巧的なパッセージをこなすには少々つらさが見えました。ヘンデルにはもっと勢いと張りのある演奏でないと「らしさ」を感じません。しかしテクストの読み込みと表現力の深さは凄いもので、充分技巧をカバーしていました、さすがです!この表現力の深さは若手では無理でしょう。またバロックの歌唱は「語り」に近いものだと再認識。

バッハの「アンナ・マグダレーナ・バッハの音楽帳」からの3つの歌曲には、大変心打たれました。この曲は、バッハと連れ子から妻アンナへの贈り物とした楽曲集からのもので、家庭的なぬくもりが魅力的とのこと。カークビーにはこうした曲調が合っているように感じました。

しかしこうしてヘンデルとバッハを聴き比べると、違いがよく分かります。方向性が異なっているんですね。バッハは地に足の付いた印象を受けますが、ヘンデルは空高く舞い上がる感じ。
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e0036980_0261670.jpgここのところバロックにどっぷりでしたが、違うものが聴きたくなって…。ということで、モーツァルトのオペラ・セリアです。ミラノ王立大公劇場(スカラ座)からの依頼で、16歳の時に作曲されたもの。最近はモーツァルトのセリアも初期のものを含めて上演が多くなりました。そういえば今シーズンのスカラ座開幕公演は「イドメネオ」、来シーズンの新国立劇場開幕もこの作品だったような。古楽演奏がポピュラーになったことや、バロックオペラの復興も影響して、見直しが進んでいるのでしょうか。

ガメッラによる台本はメタスタジオの流れを汲むもので、定石通りの英雄オペラ。ヘンデルの英雄オペラ「ロデリンダ」と設定が瓜二つで、のけぞってしまいました。主要歌手にはカストラートが多く当てられていたので、アリアにつきものの超絶技巧が楽しめます。このあたりはまだバロックを多少引きずっている感じ(だから私にとってはいいのだけど)。16歳の作と言えども音楽は溌溂としたモーツァルトの魅力に満ちています。しかし、この時点においての感情表現の深みや鋭さはヘンデルの英雄オペラに軍配があがると思います。

CDはアーノンクール指揮コンチェンツゥス・ムジクス・ウィーンによる演奏。ソリストはシュライヤー、グルベローヴァ、バルトリ等。これも上質オケ&豪華な声の競演です。
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e0036980_211620100.jpg我が家の薔薇が今年2度目の花を咲かせています。屋上に移してからは、環境が良いようで虫にも食われず伸び伸びしています。以前は1階の庭に置いていたのですが、取っても取っても虫がついてしまいかわいそうな状態でした。









e0036980_21163358.jpg“薔薇”にちなんで今日はA・スカルラッティの「薔薇の園」をBGMに。ダントーネ&アカデミア・ビザンティーナによる演奏です。オラトリオの序曲&ハープシコード協奏曲の組み合わせ。「薔薇の園」はオラオリオ、全曲をいつか聴いてみたいものです。甘いメロディがいつも聴きなれているスカルラッティとは違う感じ。今年、ローマ近郊ヴィテルボを中心としたバロック音楽祭にて蘇演とのこと。またカーティスによるヘンデル「フロリダンテ」イタリア初演も、いいなあ。
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