e0036980_13403544.jpg文楽大夫の竹本住大夫さん、三味線の野澤錦糸さんによるCD,最新版の『心中天網島』に野澤さんのお名前をいただきました。父の友人の紹介で無理を言っていただいてしまったのですが、御両人のファンにとっては嬉しさ一杯。ありがとうございました。

今、お二人による『摂州合邦辻』が上演中で、私も先週鑑賞。今回は、住大夫さんでも体力的にかなり難しいものではないかとのことでしたが、最後まで気迫に満ちた語りで、人間の情を炙り出し圧倒的でした。三味線はこの義太夫節と一体化して、語りを盛り立てていくのですが、錦糸さんも激しい音色で、悲痛な場面をドラマティックに彩ります。

この文楽も、悲劇のカタルシスを強く感じることができます。オペラもそうですが、国は違えど根っこは共通するものがたくさんありますね…。
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e0036980_14757.jpg数ヶ月ぶりの文楽公演へ。一番の楽しみは「摂州合邦辻」竹本住大夫さんの浄瑠璃。2年前に始めて聴いて以来のファンです。今日の朝日夕刊にちょうどインタビューが掲載されていましたが、御年82歳!その声による表現力といったら、登場人物の見事な演じ分けはもちろんのこと、劇的なクライマックスの盛り上げ方、微妙な心理を描いていく鮮やかさ、本当に引き込まれてしまいます。
話自体は継母が義理の息子に恋をしてしまうという、まるでラシーヌ『フェードル』のよう。でも最後にどんでん返しが!結末はいかにも日本っぽくて、いいです。



「妹背山婦人庭訓」は、初めの華やかな道行シーンのみ鑑賞。吉田蓑助さんが操る、お三輪の舞、艶やかでした。昨年9月忠臣蔵での由良助も、忘れがたい名演だったと思います。
この話は一人の男性を二人の女性が奪い合うというもの、「摂州合邦辻」もそうした場面がありますが、女同士の戦いってスゴイ(@0@)。
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ここのところあれこれとありまして、なかなか書き込めず、ほぼ一ヶ月振りの投稿となりました。舞台&音楽鑑賞は今年に入り《アンナ・ボレーナ》、J.S.バッハ《チェンバロ協奏曲》、ドゥアト《バッハへのオマージュ》、そして映画「マリー・アントワネット」(アントワネットやヴェルサイユには惹かれませんが、ラモーのオペラシーンがあるので…。アントワネットはグルックとの結びつきが強いのですが、こちらは全く出てきません。グルックはヴェルサイユというイメージではないのでしょう。ラモーに対抗した、ルソーのオペラも登場)

昨日は二期会の公演へ。若手中心のニューウェーブ公演(バロックオペラ)を除くと、4年ほど前の《ニュルンベルクのマイスタージンガー》以来でしょうか。

《ダフネ》はシュトラウスの晩年に作られた、前衛的ではないものの、円熟さを感じさせる作品。私はシュトラウスの作品についての知識はあまりありませんし、作品も特定のオペラ以外はほとんど聴いていませんが…。
私の感じ方ですが、シュトラウスのオペラは後のものになればなるほどに、時代を遡って昔に戻っていくようです。時代背景とも関係しているのでしょうが、時代の先端、前衛を追い求めるのではなく、周りと調和しつつ、自分の世界を完成させていくような円満さを感じます。特に、最後のオペラ《カプリッチョ》は、本人の遺言的な作品。心に響くメッセージがストレートに伝わってくる、シュトラウスのオペラの中では最も好きな作品です。このオペラから作られたチェンバロ組曲、スコア欲しいです(弾きたい)…。でも見つからず。

今回の公演ですが、演奏については、シュトラウスの円熟さを表現し、このオペラの魅力を引き出していたようには、あまり感じられませんでした。波のうねりのように、大きくこちらに寄せてきたかと思うと、すーっと退いて行く…、そうしたダイナミックなうねりが無い。まるで津波のように押し寄せてくるばかり。これではうるさいだけになってしまいます。
シュトラウスのオペラで忘れられないのは、4年前にコンロン指揮で聴いた、パリオペラ座管の《サロメ》。うねりが素晴らしく、目から鱗でした。引き際のピアニッシモの響き…、これを日常的に聴いている人たちが本当にうらやましかったです。

そしてダンス、もっと身体自身の動きで勝負して欲しかったと思います(道具を使わず)。下半身の動きがあまり無いのは(メインダンサーも)、動きが限定=表現が限定されてしまう印象。ダンスでの身体表現には、やれることがもっとたくさんあるはずです。そして音楽との相関性が感じられない、つまり、音楽はシュトラウスでなくても、なんでもいいのでしょう。
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