e0036980_1232321.jpg
昨年から日本でも始まったニューヨーク・メトロポリタン歌劇場のライブ上映。ブロッサム銀座で鑑賞しました。初めてでしたので、興味津々。作品は『セヴィリャの理髪師』。
平日マチネだったので観客の年齢層がかなり高く、私などは浮いてしまいそう。客の入りは8割を超えていたと思います、大盛況。オペラ愛好家の方が多いのでしょう、普通の映画以上の熱気が感じられました(フローレスファンの方が多かったのかも)。

上映はとても楽しめました!大変気に入りました。さすがエンターテイメントの王国アメリカ、サービス精神満載の作り方、やることが上手いです。アメリカだから、こうした方法が編み出せたんでしょうね。世界230カ所でこうした上映がなされているそうです、スゴイ。画質は大変綺麗。音は生と比べるのは無理がありますが、十分満足のいくものでした。

この『理髪師』のキャストもさすがメト、スター揃い踏みで、文句の出しようがありません。最高に愉快な気分を満喫(バルバロ役カルロのおかしさといったら!)。ロッシーニって、本当に人を楽しくさせてくれます。才能って、こういうことを言うのですね。

演出もとてもよくできていました。どちらかといえばオーソドックスな雰囲気ですが、古くささはゼロ。洒落ています。
黙役としてバルバロ付きの小間使いが出てくるのですが、これがチョコマカおもしろく動いて、大笑い!。これにはアイデアを感じました。
演出家のコメントがあったのですが、このオペラをよく理解し、本質を捉えていることが伝わってきます。「あなたの言う通り」と心の中で思いました。

こうした上映で、オペラファン増の期待大。すでにファンの方々にとっても、大変楽しめるものであることは間違いありません。今後続々の上映を望みます。
[PR]
今のBGMはアルベルティーニ(1644~1685)のヴァイオリン・ソナタ集、就寝前のリラックスムードにぴったりです。

今日もあれこれとバタバタ。朝から上司にいろいろと身につまされるアドバイスを受け、褒められているのか、けなされているのかよく分からない思いに1日捕らわれつつ、仕事をこなし、就業後ピアノのレッスンへ。帰宅後は世界フィギュアを観ていました。《シェエラザード》の曲に乗って滑る、安藤選手の素晴らしい演技に惹きつけられました。トリノオリンピック時とは別人のよう、凄みを感じます。驚き。

仕事後すぐのレッスンだと、頭が疲れてよくまわらないので、バッハやラモーのバロック系、モーツァルトは無理。これらは思考と体の連携を意識して取らないと弾けない。
今日はブラームスやショパンのノクターン、エチュードをさらっていました。レッスンの合間に先生との世間話が入り、いつも一時間半から二時間近く教室に居座っています。
今日は「作曲家をパンにたとえると、どんなパン?」なんて話題が。
私が「ブラームスは重くて大きくて黒い、どっしりとしたドイツパンみたい。噛み応えがあってアゴが痛くなるかも」と言ったのがきっかけ。先生は「そうね。じゃあモーツァルトは、見た目は小さくてかわいらしいパンだけと、意外性のある味がする。」と、次から次へと作曲家をパンにたとえて盛り上がりました。

ラヴェルはドライフルーツがぎっしり詰まったパン、隠し味でドライトマトも入ってます。ラモーは正統派フランスパン…。これは私の想像ですが、いかがでしょ。
[PR]
e0036980_22371232.jpgバッハのチェンバロ協奏曲はどれも大変魅力的で、日頃愛聴しています。このCDは、チェンバロ奏者モルテンセンが率いるコンチェルト・コペンハーゲンのもの。
今年1月に来日公演を行なったデンマークの古楽アンサンブル。コペンハーゲン王立劇場で定期的にオペラ上演を行なっており、バロックオペラも数多く手がけています(今夏のインスブルック音楽祭で、ヘンデル《アティスとガラテア》の演奏が予定されていました)。

初来日公演は、バッハのチェンバロ協奏曲1・3・4・5番という、オールバッハプログラム!私にとっては夢のよう、バッハのチェンバロ協奏曲は、これだけの名曲でありながら、実演の機会に恵まれていません。まず、チェンバロという楽器の特殊性があり、そのチェンバロに合わせた楽器アンサンブルの組み立てが難しい。特にバッハのように細かく入り組んだ曲を演奏すること自体、高い技術を要するものだと思います。バランスが欠如すると、一瞬にして曲が崩壊してしまうでしょう。

でも、それが見事に演奏された時の世界といったら、これこそバッハの精緻な音の宇宙に浸され、別次元に引き込まれる感覚です。

コンチェルト・コペンハーゲンの実演奏では、チェンバロのテクニックには驚嘆させられたものの、アンサンブルとしては物足りないような印象でした。うまく書けませんが、曲(調)によって、表現している世界が異なるはずなのですが、どの曲も同方向の表現に聴こえてしまう。
でも、このCDでは、実演よりも更に冴えたチェンバロの響き、溌剌としたアンサンブルを楽しむことができました。颯爽とした、現代的な演奏です。深みを感じるまでにはいかないのですが…。しかし、チェンバロは見事です。即興性という点では、もうジャズに近い感覚です。
[PR]
公演最終日の鑑賞でした。
オペラに興味があって、今日がオペラ初体験の同僚と一緒。ありがたいことに同僚は数ヶ月前から大変楽しみにしていてくれて、期待に胸膨らませての鑑賞だったようです。

この作品は、ワーグナーの中ではコンパクトですし、音楽も分かりやすい。男性向け(同僚は男性)でもあると思って推薦。結果、「カッコいい音楽だ!やはり生は迫力が違う。次はリングを見てみたい」と、だいぶ気に入ってくれたようです。初めてのオペラでつまらない思いをすると、後へは続かないので、良かった良かった。一安心。

私の感想はというと、序曲の出だしから金管が不調、音が揃っていなかったので、「これは《さまよえるオランダ人》ならぬ《さまよえるオーケストラ》では…」と不安モードに(こんな言い方で申し訳ないですが)。
後半その不安は解消されましたが、不満は残りました。演出はセンスが良いとは言えませんが、この演奏には合っていたような。変にゆがめてしまう演出よりはいいと思います。今時珍しいほどオーソドックスでした。
エリック役のヴォトリッヒが印象的、切々とした歌がとても良かった!私がゼンタならば、迷わずオランダ人よりこちらに身を捧げます(^-^;)

この作品について思うことは、その時代=ロマン派の思想の流れにあるのかもしれませんが、「女性の自己犠牲による救済」というテーマが、現代にあってはどうもピンとこない気が。つまり、古さを感じてしまいます。まあ、ワーグナーの作品はこうしたテーマのものが多いですが。
ワーグナーの初期の作品なので、音楽的には前の時代を引き摺っているような感じを受けますが(以前聴いたマルシュナー《吸血鬼》が浮かびます)、やはり音楽はワーグナーのもの。十分人を惹きつける力があるものだと思っています。
[PR]
昨日にブリテン《アルバート・ヘリング》を鑑賞。
新国立劇場オペラ研修所の公演ですが、とても研修公演とは思えない質の高さでした。本国でも、なかなか上演されないような、マイナーなオペラだと思うのですが、こうしたものを取り上げたところにセンスの良さを感じますし、結果、見事な成果を挙げていたと思います。チームワークの勝利といったところでしょうか。音楽劇として、キャストの動きもよく考えられており、演出が冴えてました。舞台美術、衣装もこのオペラにマッチしていて、遊び心のある、なかなか洒落たもの。歌のアンサンブルもまとまっていて、よく練られたあとが窺えました。

そして「やっぱり、ブリテンのオペラはいい作品だ」というのが、私の感想です。ブリテンの最も有名なオペラ《ピーター・グライムズ》は、大変好きな作品ですが、楽しめるというよりも、心の奥底へ突き刺さって、痛みを覚えるような、重く圧し掛かるものがあります。ブリテンの視点というのは、弱者への意識というか、集団へ帰属しようと思っても、そこから外れてしまう、マイノリティーへの共感があるような気がして、そこに惹かれます。
この《アルバート・ヘリング》は、青年の成長物語といった趣。少々皮肉と風刺を織り交ぜながら、軽快なタッチで描かれた短編小説のよう。その後味は、爽やか。そして心にポッと灯火が点ったような暖かさが残りました。

ブリテンの音楽、悪いわけがありません(私は好き)。オケも良かったと思います。心に残ったのが、主人公のアルバートが、自分の人生を求める心境を歌う曲。「希う心」がそのまま音楽になっています、共感。
[PR]
ここのところ更新が滞り気味です。舞台鑑賞や(パイジエッロ《ニーナ》)、神楽坂に食事に出かけたりと相変わらず出歩いているのですが、なかなか書き込みができなくて…。
《ニーナ》ですが、現代において上演するほどの魅力がこの作品にはあるのでしょうか、確かに所々美しい旋律も見出せますが…。魅力を見出せなかったのは、私の捉え方が悪いのか、上演あるいは作品自体の出来によるものなのか、よく分からないままです。
後のロッシーニやドニゼッティらに繋がっていくような作品ということは、よく伝わってきましたし、あまり聴くことのできない作品に接することができたという意味では、学ぶところもいろいろとあり、良かったです。
ナポリ楽派のオペラ、他の作曲家の作品も上演があると嬉しいですね。パイジエッロよりも前の世代に興味があります。レオ、ヴィンチ、ペルゴレーシ、ポルポーラなど、いろいろいらっしゃいますが、ライブで聴いてみたいナンバー1は、A・スカルラッティ。

e0036980_0211770.jpgバロック・ヴァイオリン奏者のコーエン=アケニヌと、クラヴサン奏者マルタンを中心としたアンサンブルによるモーツァルト。まろやかな演奏で、心が溶かされていくような甘さがあります。
品もあり、醸し出される雰囲気が良くて最近のBGMに。
流すのはもちろん夜に(だってアイネ・クライネ・ナハトムジーク)…。








e0036980_0254558.jpg雰囲気は、そう、このジャケットに使われているフラゴナールの絵「かんぬき」のよう…。
かんぬきの部分のみ、ジャケットに使用しており、洒落ています。
[PR]