間が空いてしまいましたが…(温泉旅行に行っておりまして)、感想の続きを。

今回の公演、お目当てはデッカーの演出でした。2004年ザルツ音楽祭で観た彼の演出による《死の都》がとても良かったからです。変な読み替えや混乱させるような付け足しをせず、作品のコアとなる部分(特に心理面)を浮き出させようとするスタイルで、結果、全体的には抽象的なものになっていると思います。
《死の都》、美術的には色彩感が目に美しく、本当に夢のようで…。忘れられない舞台でした。

そのデッカースタイル、その《死の都》からほとんど変化は感じられず(空間の使い方も同様、《死の都》のヒロイン役デノケも最後はスキンヘッド&白い下着姿でした…)、少々マンネリ感もないではありませんが、私はこうしたすっきりモダン&色彩感の強い演出は好みの部類。

でも、このオペラは異なる場面の同時進行という作りになっているので、その部分を視覚化するという部分では難しかったのかなと…。
オケですが、もっと凄みを出して迫ってきてほしかったです。

なんにせよ、こうした作品に接する機会はあまりないので、貴重な体験でした。
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仕事明けで眠い目をこすりこすり向かった本日の公演。1970年に自ら命を絶ったドイツの作曲家、ツィンマーマンによるオペラ《軍人たち》の鑑賞です。

芸術はその時代を映す鏡でもありますが、このオペラも例外ではなく、当時の思想と音楽との照らし合わせが行なわれています。音楽的には、いわゆる「現代音楽」となって表現され、本人曰く「時間の球構造」の音楽化を試みているそうですが…。
ベルクソンなどの理論を知っているならともかく、こうした哲学的なことは私も無知なので、「過去・現在・未来を同時に内包する心理的な時間を想定」と言われても(@0@)となってしまう…。
…勉強します。

実際のツィンマーマンの音楽、イメージ通りの「現代音楽」の枠内。どこにオリジナリティがあるのか、私にはよく分からず…。今はありとあらゆる音楽が溢れている時代です。
でも、その当時はもっと斬新に捉えられたことでしょう。初演より43年、時代のスピードはどんどん上がってきていますので、この作品、もう「現代」とは言えなくなってきているように感じます。

永井荷風によるオペラ雑感に、「ワグネルのオペラは音楽以上の使命を帯びたもの…」とありましたが、ツィンマーマンも表現しようとした「使命」、その達成が叶わずに、理想と現実の間で引き裂かれて、自ら命を絶ったのでしょうか…。
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