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明日のニケ&ル・コンセール・スピリテュエルの公演、所用が入ってしまいチケットを手放すことに…。代わりにCDで我慢。ニケは6年前の初来日時にクラヴサンで、ソプラノのメシャリー(クリスチャン・ラクロワの衣装が素敵だった…)とのデュオで聴きました。フランス・バロックのプログラムで、ジャケ・ド・ラ・ゲール、フォルクレ、クレランボー、ダジャンクール、そしてラモー。この内容ではマイナーすぎたのか、会場のノリはいまいちで、ラモー「フォリのアリア」を見事に歌いきった可憐なメシャリーへの掛け声もなく、心なしかニケ&メシャリーが寂しそうな表情だったのを覚えています。
今回の来日公演は再現大編成での演奏ということで、ダンドリュー(ルイ15世の王室礼拝堂オルガニスト)の珍しい曲も演奏するのですね。
このあたりこだわりが感じられます(^-^;)

このCDはヘンデルの代表曲「水上の音楽」「王宮の花火の音楽」が収められていますが、一番の見せ場は「王宮の花火の音楽」でしょうか。序曲の金管打楽器による迫力はまるで「音の花火」。当時を再現した編成と楽器の響きは、現代楽器のように整っていませんが、かえってその野性味が当時を彷彿とさせ、バロックの祝祭を音で体感できます。

聴いていると、リュリによる「王のヴェルサイユの大ディヴェルティスマン」「魔法の島の悦楽」が浮かび上がってきて、太陽王の祝祭からヘンデルの音楽へも繋がっていることを感じさせてくれました。バロック時代の王侯貴族らの絢爛さに、ひととき思いを馳せたCD。
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今年来日した古楽アンサンブル「レ・プレジール」のCD、J.P.ヴェストフ(1656~1705)によるヴァイオリンと通奏低音のためのソナタを聴いているのですが、これは名演と思います。デビュー作品で世界初録音となるこのCDは、高く評価され、いくつもの賞を得たそうですが、納得。

ヴェストフはドレスデンで活躍したヴァイオリニストで作曲家。フランスのルイ14世を感心させ、大バッハに影響を与えたそう。また音楽史上初めて無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ集を作曲。バッハへ至る道にヴェストフあり…、曲を聴くとバッハへ繋がっていることが容易にうかがえます。
ヴァイオリンと同等の立ち場で演奏される厚みのある通奏低音、一つ一つの曲はきっちりと構成されていますが、ソナタの形式は自由で、ファンタジーに溢れています。イタリアやフランスものとは異なる世界…。

レ・プレジールによる演奏はとても知性的。曲の勢いに身をまかせアグレッシブに弾きまくるというスタイルではなく、テンポ一つをとってもしっかりとコントロールし(テンポ感が大事なところはバッハと共通するような)、一つ一つの曲を分かりやすく、そして美しく聴かせてくれます。知性的でありながら、ヴェストフの曲を表現したいという情熱が伝わってくる、熱い一枚。
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今日は復活祭後のカンタータ集《BWV12・103・146》を流しています。ガーディナー指揮によるCDですが、バッハが実際に奏でたとされるアルテンブルグのトローストオルガンを使用しています。このトローストオルガン、その壮麗さに目を奪われてしまいました(CDのブックレットに写真が載っています)。ここまで立派なオルガンは今まで見たことがありません。音も重厚。《BWV146》はオルガンによるシンフォニアが有名ですが、凄い迫力で、大のお気に入りです。チェンバロ協奏曲第一番にも使われており、かなりのテクニックを要する曲です。
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このトローストオルガンの動画を見つけました。オルガンも含めて素晴らしい教会です、ここも訪れてみたいもの。

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最近はバッハのカンタータを聴くことが多くなっていますが、これは私の体調とも関係しているのかもしれません。こうした時こそ、バッハのカンタータが慰めと支えを与えてくれることを実感(身近に感じます)。カンタータには言葉がついていますから、音楽のみの抽象的世界ではなく、具体的な世界を指し示してくれます。

今は復活祭前のためのカンタータ集を聴いています。
《BWV159 見よ、我らはエルサレムに上がる》のバスのアリア、イエスが十字架にかけられ「成し遂げられた」と歌われます。
受難が終わった安堵と苦しみから解放された心持ちを、安息の溜息のようなメロディーで表現、バッハの心安らぐ旋律が素晴らしく、印象に残ります。

《BWV22 イエスは12人の弟子を集め》は1曲目の緊迫したドラマティックさが凄い。
イエスが弟子たちに「今から私たちはエルサレムへ上っていく、そこですべて果たされるだろう、人の子について書かれている事は」と述べていきます。
「エルサレムへ上っていく」という部分が始めはテノールとバスだけで歌われ、最後は合唱も加わって繰り返し歌われます。そのことにより、これから受難が待ち受けているという緊迫感がひしひしと伝わってきます。この臨場感…バッハって、やっぱり天才。
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