e0036980_004196.jpg
ルセのリサイタルでのアンコール曲、クープランの《ねんね、または揺りかごのいとし子》が、耳の奥で時々響いています。この子守唄が鎮魂歌となって聴こえてきたのは、私だけではないはず。

フランスのバロック、クラヴサン音楽に接したのは久し振り。
アンカードルモンの古典的テクニックでは、その時代の版画もぴったり。
LAVIS TEINTE ARRETEE(ラビ タント アレテ)というテクニック。
昨年にラモー《優雅なインドの国々》の台本を使用し、額装してみました。
2003年パリ・オペラ座公演時のパンフレットです。
e0036980_0185.jpg

色を均一に載せ、専用ペンで上手くラインをひくのがポイントですが、難しい。
[PR]
来日演奏家のキャンセルが相次ぐ中、「今、皆さんと心を一つにしたい」とチェンバロ持参で日本の地を踏んでくれたルセ。
「思いを捧げる」の言葉通り、日本への想いが真っ直ぐに伝わってきた、稀有なチェンバロ・リサイタルでした。
本当に、ありがとう。

ルセの演奏に接するのは、ドロットニングホルムでのラモー以来。
とても集中度の高い演奏でした。休憩なしでルイ・クープランと大クープランを交互に計30曲。
アンサンブルを主宰し、バロック・オペラ指揮者としての活動もめざましいことから、クラヴサンの演奏自体もオペラティックで、スケールが大きく、情念と官能の表現が豊かだと感じます。
特に最後の、大クープランのサラバンド~パッサカリア、そのスリリングさには息を飲みました。
ルセの凄いところは、バロックやロココの曲と聞いて浮かぶイメージよりも、もっと深いもの、優雅さで巧妙に覆い隠されているところを浮き彫りにし、その時代の人間の精神までもあらわにして、生々しい感情を伝えてくれることで、ルセが見せてくれる世界に惹き込まれ、ただただ感じ入るのみでした。
[PR]