e0036980_2144323.jpg今年のコンサートの締めくくりで津田ホールへ出かけました。カウンターテナーとして著名なドミニク・ヴィスを音楽監督に置き1978年にパリで結成された、ヴォーカル・アンサンブル。ヴィスはヘンデルのオペラ「アグリッピーナ」ナルチーソ役で接しましたが、歌はもちろん大変な芸達者で観客の笑いを取り、大受けしていました。評判どおり上手いなぁと感心したのを覚えています。

このアンサンブルは16cのフランス・シャンソンをレパートリーの中心としていますが、今回は15c中~16c前半の宗教曲が中心のプログラム。聖母マリアの祈りを主軸におき、ミサ典礼各章とモテットを交互に組み合わていました。私はルネサンス期の宗教音楽に接したことがほとんどなく、知識も皆無なのですが、シンプルな旋律がアラベスクのように重なっていくさまと濁りのない和声に、すっかり夢幻の心持ち。これはヒーリングに近い感覚…。素朴でありながら原初的な生命感を強く感じました。


折しもクリスマスの時期、聖母マリアの祈りに包まれる心安らぐコンサートでした。〆にふさわしいもので何より♪
(写真は品川プリンスホテルのツリー、内容とは無関係ですが綺麗だったので)
[PR]
ショパンやブラームスの難曲(私にとっては)で息切れしています。先生が息抜きにと、この曲の譜面を渡してくれました。北欧の有名な作曲家ですが、「ペール・ギュント」ぐらいしか聴いたことがありません…。ピアノ曲と歌曲をたくさん残しているのですね。メランコリックでかわいい曲。
[PR]
e0036980_23454862.jpgウィーンを中心として活躍するメゾのキルヒシュラーガーと、今秋来日公演したヴェニス・バロック・オーケストラによるバッハのカンタータ集。
キルヒシュラーガーはモーツァルトやR・シュトラウスのズボン役が当たり役。昨年ザルツブルグ音楽祭「薔薇の騎士」のオクタヴィアンで実際に聴くことができたのですが、あまりピンとこず…。でもその後のヤーコプス指揮による「フィガロの結婚」ケルビーノは、歌役者としても大変素晴らしかった(これは映像)!私にとっては理想のケルビーノ=キルヒシュラーガーとなっています。

ズボン役を得意とする硬質な声のキルヒシュラーガーと、柔らかい音質&イタリア的な明るさを持つヴェニス・バロック・オーケストラは意外な組み合わせで、ちょっと違和感を感じないでもありません。でも収まられているアリアは穏やかで安らぎに満ちた曲調のものばかりですし、オケの柔らかさや明るさは、バッハ初心者にとってはとっつきやすいですね(ヒーリング的な感じも)。
バッハ演奏としては、オケが弱く重量感がもの足りないという感じも受けますが、こうしたバッハもあるのだと興味深く聴きました。
[PR]
e0036980_14544369.jpg昨日の能舞台の余韻に浸っています。この本は以前に求めたもので(能については全くの素人です)、パラパラと見たりしていましたが、鑑賞後また取り出して開いてみると、また面白いです。
[PR]
e0036980_23513371.jpg
さて今日は水道橋の宝生能楽堂にて能を鑑賞。この能楽堂は初めてです。席は正面で3列目のど真中という最適の場所。囃子と地謡による音楽&シテの舞を堪能できて嬉しかったです。今まで観た舞台芸術の中ではこの「能」に最も非日常を感じました。まさに「幽玄」の世界で、あの世とこの世にまたがっているよう。間に挟まれる狂言が現実(この世)に引き戻してくれました。狂言ではTVや映画、舞台で活躍している野村萬斎さんが出ていたので、ドキドキ。ミーハー気分でした♪
[PR]
昨日鑑賞しました。オペラは「総合芸術」と言われるように、オーケストラや歌手、舞台演出(美術)、バレエなど様々な要素が密接に絡み合って創られるもの。そのどれもがパーフェクトな公演はそれこそ奇蹟(これを求めて毎度懲りずに劇場へ向かうわけですが)。今回は舞台演出が印象的で、もっとも重要な柱となる音楽は後退していました。音楽によってドラマが展開するのではなく、視覚によるドラマ。音楽的にはイマイチ、でも視覚的には満足。演出のフィリップ・アルローはさすが舞台美術(照明)の出身、劇場装置や照明、映像などをフル活用して、動きのある舞台を展開し見応えがありました。プロの職人仕事という感じ。
ただフランス革命を背景としたシリアスな内容に、白を中心としたファンタジックな衣装や雰囲気は浮いてしまっている気がしました。このオペラから、現代に通じる普遍的なものを抽出しようとする意気込みは感じられましたが。終幕、シェニエとマッダレーナが二人で死への旅立ちを歌う場面は抽象的なセットで、観念の世界に突入。まるで「トリスタンとイゾルデ」みたいでした…。幕切れも印象的で余韻を残すものでした。現代的な「アンドレア・シェニエ」。
[PR]
e0036980_21513096.jpg先週木曜に鑑賞しました。ヴィブラートを極力抑えた古楽歌唱法で、80年代に一世を風靡し「古楽の女王」と称されたエマ・カークビーのリサイタルです。ストレートで澄んだ歌声は、正に「天使の声」。今回はバッハとヘンデルのプログラム。
実際に聴けるのを楽しみにしていましたが、全体的にはアンサンブル含め年齢層が高いこともあり、アグレッシブな若手の演奏と比べると一昔前の古楽といった感。特にヘンデルの技巧的なパッセージをこなすには少々つらさが見えました。ヘンデルにはもっと勢いと張りのある演奏でないと「らしさ」を感じません。しかしテクストの読み込みと表現力の深さは凄いもので、充分技巧をカバーしていました、さすがです!この表現力の深さは若手では無理でしょう。またバロックの歌唱は「語り」に近いものだと再認識。

バッハの「アンナ・マグダレーナ・バッハの音楽帳」からの3つの歌曲には、大変心打たれました。この曲は、バッハと連れ子から妻アンナへの贈り物とした楽曲集からのもので、家庭的なぬくもりが魅力的とのこと。カークビーにはこうした曲調が合っているように感じました。

しかしこうしてヘンデルとバッハを聴き比べると、違いがよく分かります。方向性が異なっているんですね。バッハは地に足の付いた印象を受けますが、ヘンデルは空高く舞い上がる感じ。
[PR]
e0036980_0261670.jpgここのところバロックにどっぷりでしたが、違うものが聴きたくなって…。ということで、モーツァルトのオペラ・セリアです。ミラノ王立大公劇場(スカラ座)からの依頼で、16歳の時に作曲されたもの。最近はモーツァルトのセリアも初期のものを含めて上演が多くなりました。そういえば今シーズンのスカラ座開幕公演は「イドメネオ」、来シーズンの新国立劇場開幕もこの作品だったような。古楽演奏がポピュラーになったことや、バロックオペラの復興も影響して、見直しが進んでいるのでしょうか。

ガメッラによる台本はメタスタジオの流れを汲むもので、定石通りの英雄オペラ。ヘンデルの英雄オペラ「ロデリンダ」と設定が瓜二つで、のけぞってしまいました。主要歌手にはカストラートが多く当てられていたので、アリアにつきものの超絶技巧が楽しめます。このあたりはまだバロックを多少引きずっている感じ(だから私にとってはいいのだけど)。16歳の作と言えども音楽は溌溂としたモーツァルトの魅力に満ちています。しかし、この時点においての感情表現の深みや鋭さはヘンデルの英雄オペラに軍配があがると思います。

CDはアーノンクール指揮コンチェンツゥス・ムジクス・ウィーンによる演奏。ソリストはシュライヤー、グルベローヴァ、バルトリ等。これも上質オケ&豪華な声の競演です。
[PR]
e0036980_211620100.jpg我が家の薔薇が今年2度目の花を咲かせています。屋上に移してからは、環境が良いようで虫にも食われず伸び伸びしています。以前は1階の庭に置いていたのですが、取っても取っても虫がついてしまいかわいそうな状態でした。









e0036980_21163358.jpg“薔薇”にちなんで今日はA・スカルラッティの「薔薇の園」をBGMに。ダントーネ&アカデミア・ビザンティーナによる演奏です。オラトリオの序曲&ハープシコード協奏曲の組み合わせ。「薔薇の園」はオラオリオ、全曲をいつか聴いてみたいものです。甘いメロディがいつも聴きなれているスカルラッティとは違う感じ。今年、ローマ近郊ヴィテルボを中心としたバロック音楽祭にて蘇演とのこと。またカーティスによるヘンデル「フロリダンテ」イタリア初演も、いいなあ。
[PR]
e0036980_11531364.jpgバルトリのニュー・アルバム、モダンなジャケットに「おーっ!」(笑)。オケはミンコフスキ率いるルーブル宮音楽隊。
なぜ“禁断”なのかというと、18cのローマ教皇領では娯楽性の強いオペラの上演は禁止されていたのですが、当時の裕福な枢機卿や貴族などの芸術のパトロンは、私的にオペラを楽しむ隠れ蓑として、オラトリオという宗教音楽劇にすり替えて上演していたそうです。なので内容的には宗教的な題材。
そのオラトリオのアリアを集めた作品集ですが、そうした経緯を辿っているのでオペラアリアと同じ印象。なにしろ、ここに収められているヘンデルのオラトリオ「時と悟りの勝利」からのアリアは同じ時期に作られたオペラ「アグリッピーナ」「リナルド」でも同じ曲が使われています、歌詞が違うだけ。「アグリッピーナ」でのネローネのアリアをバルトリで聴けました(打ち上げ花火のような凄さです。これが「アグリッピーナ」の実演だったら、度肝を抜かれること間違いなし)。「復活」は全曲を昨年ヘンデル協会の公演で聴きましたが、バルトリ&ミンコフスキで聴いてみると最強ですね(天使のアリア、超人的…)。
A・スカルラッティはまだヘンデルのように整っていない荒削りの迫力が魅力的です。

一番の収穫はカルダーラのアリアではないでしょうか。4曲あり全て世界初録音です。
カルダーラはスカルラッティとヘンデルの間の世代。サンマルコ大聖堂でチェロを弾いていましたがウィーンの宮廷に招かれ、そこで作曲や演奏活動をしたとのこと。オラトリオなどの宗教曲や世俗カンタータを多く作ったそうです。
聴いてみると、カストラート向けのような超絶アリアに、叙情的アリアもという多彩な作風。全体的には優美な印象です。
[PR]