ヘンデル協会「アグリッピーナ」
この上演、ヘンデルのオペラにおける正当な舞台の一つと言えるのかもしれませんが、あくまでも「当時はこうでした」という印象。どうしても数年前に観たシャンゼリゼ劇場におけるマクヴィガーの演出を思い出してしまいます。現代の設定でしたが、違和感が無く(これは凄いことだと思います)音楽を更に引き立てており斬新な感覚で見事でした。ポッペアが眠ったふりをしてオットーネをなじるシーンは、お洒落なカウンターバーで、ポッペアはやけ酒を飲んで酔ったふりをしている設定。加えてそのシーンではバーに設えたピアノ(チェンバロ)で奏者がヘンデル作品の即興演奏を披露し、大喝采でした。
上演で少々物足りなかったのが、ダ・カーポ部分の無いアリアが多かったこと。レチタティーヴォはカット無しでしっかり入っていました(すごい!)。音楽中心というより、ドラマ(音楽劇)としての流れを重視しているようでした。