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アーノンクールのモーツァルト、そしてハイドン

今週の「古楽の楽しみ」は、アーノンクール追悼ということで初期から晩年の活動を追う構成。
最終日の今日、案内役の礒山先生より「アーノンクールを語る時、どうしても外せないのが、彼のモーツァルトの演奏。まず挙げたいのが、モーツァルトの初期の交響曲。初期の交響曲は普通に演奏しただけでは、なかなか効果が上がらないが、彼の手にかかると、少年のワクワクするような冒険絵巻として聴こえてくる。彼の卓越した分析を通じて、その新しさを惹き出している…」とのコメント。その通りの、弾むように生き生きとしたK.22交響曲5番(9歳で作曲!)が流れ出した。
その演奏を聴いた時、同じくアーノンクールによるモーツァルトの初期のオペラ《ミトリダーテ》《ルーチョ・シッラ》が甦ってきた。この2つの作品は、一目惚れならぬ一聴惚れだった。
後期のオペラも素晴らしいものだが、初期・中期のオペラも大好きだ。いや、《フィガロの結婚》以降のものより、自分には感覚的にフィットする感じがある。どうしてだろう…それは、バロックに近いものがあるからなのかもしれない。

初めて聴く交響曲5番、ハイドンそっくりだ。アーノンクールによるハイドンのオペラが思い出されてくる。《アルミーダ》《騎士オルランド》もお気に入り。ハイドンの交響曲やピアノ・ソナタは、積極的に聴こうと思わないのだが(カルミニョーラによるヴァイオリン・コンチェルトは最高)、そのオペラはハイドン節が冴えて素敵だ。
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アーノンクール&ポネルによる《ミトリダーテ》、LDで観た時には、舞台衣装も素晴らしかった。
特にアスパージア、左右に張り出したパニエが目を惹くが、1740年代のみ流行したもの(モーツァルトが生まれる少し前)。アタッチメントがあり、折りたためるそうだ(^^;)イタリア&スペイン産(フランスには無い)、実在した衣装ということに驚いてしまう。
ロココの装飾性は、バロックよりもさらに過剰だ…。
by marupuri23 | 2016-04-14 21:59 | early music | Comments(0)