ヴェネツィア・アカデミア美術館
「ヴェネツィア・ルネサンスの巨匠たち」展が開幕、アカデミア美術館のマリーニ館長による講演会へ。
館長に就任してからまだ7か月ということで(バッサーノが専門だそうだ)、「皆様の方が、よくご存じかもしれませんが…」と笑いを誘うジョークなども交えつつ、美術館の歴史やコレクションの紹介、そして改修後の展示状況について、映像を見ながら詳しい説明を聞くことができた。
さらにヴェネツィア派が生まれた背景やその特徴、そして後世への影響までといった幅広い内容を含んでおり、美術の素人の私にも分かり易い説明で納得。
また、コレクターを通して読み解くことも可能という視点には、歴史の深さを感じる。ドメニコ・グリマーニ枢機卿が最も有名なコレクターだそうで、ボス(フランドル絵画)を3点も所蔵しているとは初めて知った。ヴェネツィアでボスが観れるなんて、「へぇ~」と感心…。ヘンデルのオペラ《アグリッピーナ》の台本もまた、グリマーニ枢機卿(ヴィンチェンツォ・グリマーニ)だった。このオペラは台本がとてもよくできていて、だからストーリー的にも面白いのだけれど、いやさすがの家系だと、また感心。ヴェネツィアのグリマーニ家は、当時、劇場を所有していたので、オペラとの繋がりも当然深い。
「ヴェネツィア・ルネサンスの巨匠たち」展自体は未見だか、同会場の「ルノワール展」よりもまだまだ空いている印象。混雑を避け、東京の夏の最中、イタリア旅行気分で(^^;)ゆっくりとヴェネツィアの色彩を味わいたいと思う。