都響スペシャル2017「第九」指揮/大野和士(H29.12.25)

e0036980_21141751.jpg
 あの東日本大震災の年に、大野和士さんの指揮で都響の第九を聴き始めてから6年目となる「都響第九」。
 家族で聴く、毎年恒例の1年を締め括る行事となっている。2011年には、震災で避難されていた方々をご招待しての演奏会で、あれほど会場が丸ごと連帯感で繋がった、辛さを一緒に乗り越えていこうと強く心に念じた演奏会はなかったように思う。震災の記憶を風化させることなく、自分に今、できることはなにか、と考えることを忘れずにいたい。

 この曲は、その年ごとに受け取る印象が異なってくるのだが、今年の第九はとても落ち着いて、穏やかに聴くことができた。今年は自分にとって、そうした平穏な年であったのだろう。本当にありがたいことで、改めて感謝の気持ちが沸き上がってきた。クリスマスに、私にとって、これ以上の贈り物があるだろうか!

 演奏は、力強い真っ向勝負のベートーヴェン。低音が効いて重量感があり、内声部もよく聴こえてくること!(私の好みだ)様式の構造がくっきり見えてくるような緻密さ(指揮に音がキッチリと付いてくる、見事)=ベートーヴェンらしさが伝わってくるのが嬉しい、「オーケストラ」を聴いたという醍醐味のある演奏だった。

 今回、イタリアでご活躍中の新進メゾソプラノ脇園さんがソリストとは知らず、プログラムを見て驚く。その凛とした華やかさは、すでにプリマドンナの風格。ただ、第九ではなかなか声自体をじっくり味わうのは難しい、日本でのオペラ・デビューは観れなかったので、機会があればオペラでまたお聴きしたいもの。


[PR]
by marupuri23 | 2017-12-26 20:43 | コンサート | Comments(0)