MITO9月音楽祭 エーデン・ラーツ&シュテファン・コンツ~デュオ・リサイタル:ヴァルデーゼ教会~H29.9.15

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 今年もいよいよ終わり。年末の休暇に入ると、毎年同様、夫婦二人で大掃除に買い出しにと慌ただしく、あっという間の大晦日。今年の鑑賞生活のまとめができなかったが、今年は週末も忙しかったため、コンサートや展覧会巡りは例年より少なめ。そんな中でも、イタリアでの音楽祭&スカラ座を体験できたのはありがたいことだった。
 そのMITO9月音楽祭の記事も、これにてようやく終了。トリノ到着日にまず聴いたのがヴァルデーゼ教会でのコントラバス&チェロによるデュオ・リサイタルだった。コントラバスはウィーン・フィルの首席奏者であるエーデン・ラーツ、そしてチェロはベルリン・フィルのシュテファン・コンツという著名オーケストラの奏者同士の共演。それをこのようなこじんまりとした場所で、しかも低価格(5€)で聴けるとは驚き。
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 今回は右サイドの前2列目の席。プログラムはジャン=バティスト・バリエールに始まり、カザルス、ロッシーニ。技巧もさすがに見事で快活なこと、楽しい!休憩を挟んでボッケリーニ、シュ二トケ、パガニーニと多彩な弦の持ち味を堪能。
 隣のイタリア・マダムがやはりおひとり様だったので、曲が終わるたびに拍手をしながら、お互いに顔を見合わせて「Bravi、Bravi!」と言い交す。こうして感動を自然にシェアできる雰囲気がいい。コンサートを終えたあと、「シニョーラ、あなたと一緒に聴けてよかったわ」と一声かけてくれるさりげない気遣いもまた嬉しかった。こうした普段気感覚で、フラッと気軽に聴ける環境は、ありそうでなかなか無い。

 今回、MITO9月音楽祭を6公演聴いたが、ほとんどの公演が20€~5€で無料のものも多く、もちろん子供向け(内容はモンテヴェルディの《オルフェオ》!)のものも。企業や行政からの補助等があるのだろうが、これぐらいの価格でないとクラシック音楽に興味があっても、今まで接したことがない方が「じゃあ友人も(家族も)誘って、一緒にちょっと聴いてみようか」と気軽に足を運ぶ気にならないのではと思う。トリノ中心部では、音楽祭のポスターがよく目に付き、宣伝にも力を入れているのが伝わってきた。何をするにも「お金」というものは付いて回ってくるものだが、いい音楽を、気軽にライブで、低価格でというのは未来の聴衆を育てるという意味でも、これからの芸術の発展ということを考えても、将来を見据えて広い視点で捉えるならば大事なことだな、と。
 

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