スタンダールがその音楽に対して「…目が眩み、魂を奪う」と記し独創的天才と讃えたロッシーニ⇒「gli occhi sono abbagliati,…」掲示の解説文を読み返してみたら、スタンダールがサン・カルロ劇場を讃えたものだったのね、失礼しました…。ナポリ王宮から続くサン・カルロ劇場博物館にて、ロッシーニの没後150年展が開催されていた。こうした展覧会があるとは知らなかったので、(一応)オペラ愛好家としては、驚くと同時に嬉しさのあまり気分が高揚。ロッシーニの作品にはナポリ初演のものが10作品ほどあって、この地と所縁深いのはもちろんだが、ナポリにも熱狂をもたらしたのだ。 開場入口にはスタンダールのコメントが。彼の著した『ロッシーニ伝』には「チマローザが去り、パイジェッロが作曲を止めると、一人の独創的天才(=ロッシーニ)が現れるまで、イタリア音楽は衰えた」「ロッシーニはチマローザを崇拝し、目に涙を浮かべて語る」とある。
スタンダール曰く「カノーヴァ亡き後、(ロッシーニは)現存する最大の芸術家なのだ。後世はどのような評価を下すだろうか。そればかりは判定のしようがない。」
モンセラート・カバリエが身に付けた《エルミオーネ》の衣装。ナポリ初演でコルブラン(ロッシーニの奥様)が歌っている。大好きなラシーヌの『アンドロマック』が原作。確かにアンドロマックよりもエルミオーネの方が印象深い。所謂、敵役ではあるが、この戯曲のように主役のヒロインが喰われてしまうようなパターンって多いのではないかと思う。…が、肝心のオペラを聴いたことがない。日本で聴くのは一生無理かも。