長年お世話になっているピアノの先生をお誘いして、フランス・バロックのコンサートへ。
リュリ&カンプラのオペラ抜粋、これらを生演奏で聴くのは初めて。フランス・バロックの作曲家ラモーは私の偏愛対象なので、これまで遠征鑑賞やら自分で弾くやらしているのだが、ラモー以前の世代となると、より実演に接することが難しくなるような…(バッハ世代以前のバロックオペラ上演で多いのはモンテヴェルディくらいか)。もちろんCDやDVD、インターネットなどでは気軽に接することができるのでありがたい。
今回のコンサートはそうした貴重な機会であるのに加えて、なんと正真正銘(当時の舞踏譜に基づいた)のバロックダンスが付いている!フランス・バロックオペラに欠かせないのが、このダンス=バレ。私も以前にバリ・オペラ座等でラモーのオペラ上演を観た際は、もちろん踊り付きだったもののモダンバレエ。こちらも悪くはないが、バロックダンスで観たいのが正直な気持ち。なんといっても「優雅」。それに今回は歌い手さんもいるのだ。ソプラノ&テノール、なんと贅沢…。
リュリは有名どころの《アティス》《町人貴族》からの抜粋、そしてもちろん《アルミ―ド》のパッサカーユとレシ。カンプラは《優雅なヨーロッパ》抜粋。リュリは重厚、バロックを肌で感じる。その後のカンプラはロココに近い。
オーケストラは音大学生が中心。若者らしい生き生きとした躍動感が気持ちよく、特にカンプラが軽やかで華やか、楽しいこと!管楽器やパーカッションの活躍が目を惹き、フランスらしい色彩感も十分。
バロックダンス(2名の踊り手)は素晴らしく、その足さばきと軽やかな動きにただただ感心。音楽とダンスがこれほどまでにぴったりと合わさっている例ってあるだろうか、踊るための音楽ということが、実感として伝わってくる。
フランスバロックものを初めて観たピアノの先生は「もうびっくりだわ」と。そして「演奏もよくて、また観たいと誰もが思うはず。次回も来たいわ」とのこと。私ももちろん、そう思う。