人気ブログランキング |

2019年 06月 12日 ( 1 )

e0036980_21024574.jpg
 昨年、ヴェルディ作曲《マクベス》を実際に聴く機会を得、原作のシェイクスピアに改めて向かい合ったこともあり、書店で見かけた際に購入。

 ティーンエイジャーからの支持も高い作家、あさのあつこさんが中学生達に『マクベス』について特別授業を行う内容。
 あさのさんが『マクベス』について若い読者とやり取りする中で投げかける言葉は、分かりやすい、ごくシンプルな、だからこそ心の奥底にまで届く力強い言葉の連続。
 題材は『マクベス』ではなくともよかったのだと思う。若い世代へ『マクベス』を媒介としたメッセージー本が持つ無限大の力を、生き延びていくために活かしてほしい、という願いが伝わってきた。

 大事なのは、一人ひとりの受け取る印象が異なることが「当たり前」ということ。特に『マクベス』は受け取る側それぞれで違った「貌」を持つところが、この作品の凄みだと。
 これは本だけではなく、音楽も絵画も名作といわれるもの全てに当てはまる。様々な解釈(見方)を可能とする作品こそ、奥が深いのだと思う。
 そして、「私とあなたは感じることが違う」ことを認識し合うことで、世界も広がっていく。自分だけの考えに囚われず、他者を受け入れて共に進む柔軟性を大事にしたい。

 私にとって響いたメッセージをメモ。
 「自分の胸のうちにあるものや心の中にあるものを書こうと思ったときに、何が一番大事になってくるかーそれは感覚、五感なんですね。…自分が感じたことをしっかり溜め込むことが必要なのです。…つまらないと思ったこと自体が、自分の五感が働いた証なのです。…書くことは自分に向き合う作業なのですね」